源氏物語 A・ウェイリー版第3巻[全4巻]

  • 著者:紫式部
    英訳:アーサー・ウェイリー
    日本語訳:毬矢まりえ+森山恵姉妹訳
    エッセイ:島内景二
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体3200円+税
  • 四六判上製/728ページ
  • 2018年12月25日 第一刷発行
  • 978-4-86528-199-6

別の光と陰に彩られて表情を一変させた「源氏物語」。どういう訳か、とてもわかりやすく、すらすら読めました。驚きました。(町田康)

アジアでもなければヨーロッパでもない。これぞ「世界文学」の誕生(島内景二)

シャイニング・プリンス・ゲンジの四十を祝う盛大な儀式が開かれた頃、時代はゆっくりと移り変わりはじめる。
エンペラーは代替わりし、若き新人プリンセスが宮中に上がり、恋の物語は子や孫の世代に引きつがれる。
病に伏す者、世を去る者、残される者。絶頂から孤独へ、歓喜から悲嘆へ。やがてゲンジその人も旅立つときがくる――。

刊行されるや否や、源氏物語がたちまち世界的古典文学として知られるきっかけとなったアーサー・ウェイリー版源氏物語。
その名訳が伝えたのはいつの時代も変わらぬ私たちの、出会いと別れ、運命の切なさだった。
大好評のウェイリー版源氏物語、第3巻いよいよ刊行!


【あらすじ】
我が子レイゼイはエンペラーになり、パレスにも匹敵する大御殿を完成させて、
ゲンジが栄華を極めていたころ、ときは次の世代に移ってゆく。
長年の秘めた恋を成就させるゲンジの息子・ユウギリ、
ニョサンに恋い焦がれるトウノチュウジョウの息子・カシワギ。
アカシのプリンセスをパレスにあげ、堂々たる年齢を重ねるゲンジに誰もが祝辞を寄せていたころ、
恋の行方も人びとの運命もゆっくりと動きはじめる。

エンペラー・レイゼイの退位、カシワギの突然の死と遺児カオルの誕生。
そして、ムラサキが没するとほどなく、ゲンジもこの世を去ってしまう――。

光り輝く中心点ゲンジが、物語の舞台から去る。
その波紋が揺りうごかす人びとの心と人間関係を、堂々たる筆致で描き出す17帖。
ゲンジの孫ニオウと、カオルの物語のはじまる「宇治十帖」前半までを収めます。

源氏物語が世界文学ではあるとはどういうことか。
谷崎源氏との対比で島内景二さんがエッセイを寄稿してくださいました。
和歌表記監修:藤井貞和

〈目次〉
梅枝
藤裏葉
若菜 上
若菜 下
柏木
横笛
鈴虫
夕霧
御法

(雲隠)
匂宮
紅梅
〈竹河〉
橋姫
椎本
総角


『源氏物語』は、常に新しい世界を先導する  島内景二
記事・書評
和樂web 2019年8月 「あるエンペラーの宮廷の物語?『源氏物語 ウェイリー版』が想像以上に面白すぎ!」 近藤智子さん
ミセス 2019年4月号 今月の本 斎藤美奈子さん
朝日新聞 2018年12月29日 「読書編集長が選ぶ「今年の3点」」
図書新聞 2018年12月22日号 下半期読書アンケート 小池昌代さん
現代詩手帖 2018年8月号 小川公代さん
朝日新聞 2018年6月25日
「源氏物語、現代の視点で再発見 英語版を邦訳・新注釈…次々刊行」
共同通信 2018年5月30日 「源氏物語 翻訳で新たな魅力を」
産経新聞 2018年5月16日 「カタカナ多様 不思議な世界」
ちくま 2018年5月 斎藤美奈子さん「『源氏物語』を近代文学として読むと見えてくるもの」
図書新聞 2018年4月21日 「『源氏物語』の新たな一面」
東京新聞 2018年3月3日 川口晴美さん「詩はいかが」
朝日新聞 2018年2月4日 蜂飼耳さん「〈戻し訳〉に響く新しい音色」
毎日新聞 2017年12月24日 鴻巣友季子さん「画期的現代語訳と戻り訳で再創造」

アーサー・ウェイリー(Arthur Waley, 1889-1966)
1889年生まれ。ケンブリッジ大学を卒業したのち、大英博物館の館員となる。独学で中国語と日本語を学び、中国詩の英訳を発表して注目される。1925年『源氏物語』刊行開始。その後、『枕草子』『論語』『西遊記』などを訳すほか李白や白居易を翻訳紹介。1966年、自動車事故が遠因となって死去。イスタンブールなどに旅した以外、アジアを訪れたことはなく、来日の誘いもその場で拒絶したという。

毬矢まりえ(まりや・まりえ)
俳人・評論家。アメリカ、サン・ドメニコ・スクール卒業。慶應義塾大学フランス文学科卒業、同博士課程前期中退。俳人協会会員。国際俳句交流協会実行委員。『ひとつぶの宇宙』(本阿 弥書店)。NHK World TV Haiku Masters 選者。

森山恵(もりやま・めぐみ)
詩人。聖心女子大学卒業、同大学院英文学修了。詩集に『夢の手ざわり』『エフェメール』(ふらんす堂)『みどりの領分』『岬ミサ曲』(思潮社)。NHK World TV Haiku Masters 選者。

町田康(まちだ・こう)
作家。『くっすん大黒』でデビューして以来、自在でパワフルで圧倒的な文体と人情味あふれる作品を発表し続けている。古典「義経記」を蘇らせた『ギケイキ 千年の流転』、『宇治拾遺物語』現代語訳のほか、アンソロジー『源氏物語 九つの変奏』では末摘花を題材に語り直し、話題を注目を集めている。

島内景二(しまうち・けいじ)
国文学者、源氏物語研究。専門とする源氏物語、古典文学に加え、夏目漱石や森鴎外なども幅広く論じる。歌人として塚本邦雄に師事、歌集『夢の遺伝子』がある。
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