戦前史のダイナミズム

  • 著者:御厨貴
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体1850円+税
  • B6判並製/240ページ
  • 978-4-86528-154-5 C0331

「戦後◯◯年」ばかりが言われる今日、果たして私たちは「戦前」をしっかりわかっているのだろうか? 天皇と宮中、元老、貴衆両院、そして軍部。さまざまなアクターが織りなす「戦前史」を、明治・大正・昭和、3代の天皇を軸に御厨貴が描きだす! 司馬遼太郎や大佛次郎、松本清張らを通じて、いかに歴史を物語るべきかをも論じる名講義



〈本書より〉
・歴史学者は責を果しているか? 石川淳による歴史家批判
・「通史」で歴史物語を救い出す大佛次郎流の歴史物語
・明治天皇と元老が構成する「建国の父祖共同体」
・近代化の進展とともに「覚醒」してゆくカリスマ・明治天皇
・帝国憲法と新憲法、一身にして二生を生きた昭和天皇
・関東大震災と東京大空襲、焼野原となった東京をみて昭和天皇が決断したこと
・戦争責任をめぐる徳富蘇峰の厳しい批判
・「宮中政治家」西園寺公望と近衛文麿、「宮中官僚」牧野伸顕と木戸幸一
・司馬遼太郎風に描きだすべき政党政治型の原敬
・山田風太郎流がぴったりのプロジェクト政治型の後藤新平
・テロやクーデターの物理的暴力は政治になにをもたらしていたのか? 松本清張がみつめる二・二六事件
・1930年代はほんとうに「暗い時代」だったのか? 大佛次郎の小説と雑誌『自由』から時代と対峙する言論をみる
・三位一体で戦後を規定する安全保障条約、講和条約、新憲法
・実は日本人に親しみやすかった占領体制



目次
第一章 明治史の「流れ」と幕末・維新期の「歴史物語」
第二章 明治天皇と「建国の父祖共同体」
第三章 昭和天皇と「宮中」
第四章 大正政治史を彩る司馬流と風太郎流
第五章 二・二六事件 天皇とテロリズムを描き出す清張流
第六章 一九三〇年代の精神の自由 大佛流と伊東流
第七章 占領 安保・講和・新憲法
あとがき
御厨貴(みくりや・たかし)
政治史、オーラル・ヒストリー、公共政策。東京大学名誉教授、放送大学客員教授、青山学院大学特任教授。主な著書に『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『馬場恒吾の面目』(中央公論新社、吉野作造賞受賞)、『権力の館を歩く』(毎日新聞社)、『日本の近代3 明治国家の完成』(中公文庫)ほか多数。