ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ


  • 著者:ユリア・エブナー
    訳者:西川美樹
    解説:木澤佐登志
  • 装丁:水戸部功+北村陽香
  • 定価:本体2300円+税
  • 四六判並製/452ページ
  • 2021年12月30日 第一刷発行
  • 978-4-86528-054-8 C0036
5つの顔を駆使し、12の過激主義組織に潜入した女性研究者
カリスマ白人至上主義インフルエンサー
愛国主義者専用の出会い系アプリ
ハマったら最後、Qアノンの陰謀論
ISISのハッカー集団による初心者講座
反フェミニスト女性のチャットルーム
ネオナチのロックフェスティバル

過激主義者はどうやって「普通の人びと」を取り込むのか?
白人至上主義、ミソジニー、移民排斥……差別的で攻撃的なイデオロギーを掲げる組織は、オンラインプラットフォームを駆使して、周縁のムーブメントをメインストリームへと押し上げる。
オンラインで始まった憎悪が、次第に現実世界へと移行していく様子をとらえた、緊迫のノンフィクション。
心配ないよ、女の子も入れるから。
──急進右翼のチャットグループ
僕たちについて、きみに知っておいてほしいことがいくつかある。僕らはもうあの
古いナチじゃない。僕らは民族多元主義者なんだ
──ジェネレーション・アイデンティティのメンバーのひとり
自分を責めちゃだめよ。責めるべきはフェミニズム、責めるべきは現代という時代なんだから
──反フェミニスト女性のチャットルーム
このサーバーに加える報告書をつくってくれるかな。もっと多くの情報、とくにQに関連する最近の出来事で、過酷な真実を語っているのを読みたいんだ。体制が認めようとしないやつもね。
──Qアノンの信者
サッカーやバーベキューやパーティ、カール・マルクスやその手のことを投稿する、ごく普通のアカウントのふりをするだけさ
──ヨーロッパ最大の荒らし軍団のサーバー
❖目次❖
はじめに

パート1 新人勧誘
第1章 白人以外お断り ──ネオナチに採用される
第2章 初心者のためのレッドピル ──ヒップな極右組織ジェネレーション・アイデンティティ

パート2 社会化
第3章 トラッドワイフ ──反フェミニスト女性たちの罠
第4章 シスター限定 ──聖戦士の花嫁のシスターフッド

パート3 コミュニケーション
第5章 情報戦争 ──トミー・ロビンソンの新たなメディア帝国
第6章 ミーム戦争 ──ヨーロッパ最大のトロール軍団

パート4 ネットワーキング
第7章 オルトテック ──世界中の急進派をつなぐプラットフォーム
第8章 Qを追いかけて ──陰謀論者の奇妙な世界へようこそ

パート5 動員
第9章 ユナイト・ザ・ライト ──過激主義者が集うシャーロッツヴィルの集会
第10章 シルト・ウント・シュヴェルト ──ネオナチの音楽フェスティバル

パート6 攻撃
第11章 ブラックハット ──ISISとネオナチのハッカーに弟子入り
第12章 ゲーミフィケーションされたテロリズム ──ニュージーランド銃乱射事件の背後にあるサブカルチャー

パート7 未来は暗いか?
第13章 最初はすべてうまくいっていた
第14章 2025年の10の予測
第15章 2020年のためのソリューション

あとがき
用語集
謝辞

解説  木澤佐登志
原註
索引
ユリア・エブナー(Julia Ebner)
1991年ウィーン生まれ。戦略対話研究所(ISD)上席主任研究官。オンラインの過激主義、偽情報、ヘイトスピーチなどを研究対象とする。研究結果をもとに、国際連合、北大西洋条約機構、世界銀行ほか数々の政府機関や諜報機関に対してアドバイスを行っている。「ガーディアン」「インディペンデント」などに寄稿。著書『The Rage: The Vicious Circle of Islamist and Far-Right Extremism』(I.B.Tauris & Co Ltd、2018年、未邦訳)で、「シュピーゲル」のベストセラー、2018年ブルーノ・クライスキー賞を受賞。
西川美樹(にしかわ・みき)
翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒。訳書にロバーツ『兵士とセックス』(共訳、明石書店、2015年)、バスコム『ヒトラーの原爆開発を阻止せよ!』(亜紀書房、2017年)、ウィットマン『ヒトラーのモデルはアメリカだった』(みすず書房、2018年)、サカモト『黒い雨に撃たれて』(共訳、慶應義塾大学出版会、2020年)、ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』(みすず書房、2021年)など。