坂口恭平『Pastel』

  • 絵・著:坂口恭平
    翻訳:サム・マリッサ
  • 装丁:STUDIO 峯崎ノリテル・正能幸介
    写真:帆刈一哉、坂口恭平
  • 定価:本体+税
  • 150ページ
  • 2020年10月30日 第一刷発行
はじめてのパステル画、はじめての風景 ーー画家・坂口恭平、第二章開幕。
個展チケット即完売、各界著名人注目、著者SNSで話題沸騰のパステル画集第一弾がついに刊行。
畑へと向かう道、江津湖、有明海、そして光と影、色彩、温度、空気……世界を徹底的に観察して描き切ったパステル画を厳選して収録。
2020年4月から8月までの風景の記録であり、坂口恭平の変化の記録。

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  僕にはないが、坂口恭平には絵を描く資格がある。
              ーー会田誠(美術家)
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【全版共通仕様】
◉150ページ
◉パステル画約120作品を原寸大・フルカラーで掲載
◉エッセイ「畑への道」収録(日英バイリンガル)
◉著者による各作品紹介


【限定30部 原画付プレミアム版】
◉定価:本体150,000円(税別)
◉体裁:A4判変型上製(布張り)
◉本書未収録原画(額装)付
◉著者サイン付き
*坂口恭平BASEで販売(限定20部)
*花と骨董「さかむら」で10月16日〜先行発売(限定10部・予約不可)
原画付きプレミアム版はこちら
〈坂口恭平さんBASE〉

【限定100部 特装版(オリジナルトートバッグ+ポストカード付)】 
◉定価:本体10,000円(税別)+送料800円
◉体裁:A4判変型上製(布張り) ※プレミアム版と同様です
◉オリジナルトートバッグ+ポストカード付
◉著者サイン付き
*左右社オンラインショップほか、一部書店様でもお取り扱いあり(詳細は後日お知らせいたします)
*特装版は、送料800円を頂戴いたします
*下記はトートバッグのサンプルイメージです。デザインは変更になる可能性がありますのでご了承ください。


****左右社オンラインでの特装版販売は終了いたしました****


【通常版】
◉ISBN:978-4-86528-289-4
◉定価:本体3,000円(税別)
◉体裁:A4判変型並製

*2020年9月5日〜10月16日までに左右社オンラインショップでご予約いただけた方には「サイン本」をお送りします。
*一部書店様でもお取り扱いあり(詳細は後日お知らせいたします)
通常版(サインあり)はこちら
通常版(サインなし)はこちら





 僕は毎日発見している。風景を。今まで目に入らなかったことにどんどん焦点が当たっている、当たった瞬間に別のものに移動している、それくらい僕は変化している。風景も変化している。パステルをもつ指も変わり、指先はいつも動いている。その動きそのものが興味深いから、止まらない。
 それくらい僕は何も知らない。空の青について何も知らなかった。今はいくつものパステルの色を塗り重ねる。晴れた日にも暗い色が入っている。光と影がそこら中に満ちている。躁鬱病の僕は鬱を忌避し、躁をあっぱれだと思っていた。しかし、晴れた日にはとても強い黒い影が生まれる。頂点があり、どん底があるのではなく、気分の上がり下がりではなく、気分、ムード、感情の、色調があるようなものが、その途端に、僕の内面もエベレストから海溝まであったジオラマが一気に粒子になって崩れ落ちて、ふわふわとそこら中に浮いている大気になった、自分の体が気象になった。線も面も粒子に戻って、そこら中に気配として残っているだけになった。

ーー「畑への道」より抜粋










坂口恭平(さかぐち・きょうへい)
1978年熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。作家、建築家、絵描き、歌い手、踊り手など、さまざまな分野で活動を続ける。
2004年に写真集『0円ハウス』を刊行。著書に『独立国家のつくりかた』『徘徊タクシー』『現実宿り』、近刊に『自分の薬をつくる』『苦しい時は電話して』がある。
美術家として、カナダのバンクーバー州立美術館にて個展を開催後、現在は展覧会を各地で開催する。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。