応答漂うモダニズム

  • 編著:槇文彦・真壁智治
  • 装幀:松田行正+日向麻梨子
  • 定価:本体2900円+税
  • 四六判並製/368ページ
  • 978-4-86528-121-7 C0052

世界的建築家槇文彦の『漂うモダニズム』は、建築界に静かながら重たい問いを投げかけました。かつて鮮やかな航跡を描く巨船だったモダニズムも方向性を見失い、大海原を漂っている現在、設計の自由がますます失われる建築家、そして建築に未来はあるのか。
伊東豊雄、塚本由晴、藤村龍至ら幅広い世代からの応答と、槇文彦からのさらなる回答を収録。建築の希望を探る注目の1冊。

〈目次〉
なぜ今、「漂うモダニズム」への応答なのか 真壁智治

第1章 大海原からの脱構築
オルタナティブ・モダン 近代の底が抜けた後に 五十嵐太郎
漂う建築、浮かび上がるアーキテクチャ 藤村龍至
モダニズムという仮構 黒石いずみ
クリティカルグリーニズム 植物と霊性のゆくえ 中谷礼仁

第2章 大海原に漕ぎ出す
それでも我々は小舟を漕ぎ続ける―グリッド・フレームの大海原を 伊東豊雄
parallel dialogue with Modernism 辻琢磨
大海原を漂うための方法 饗庭伸
「空間化」と「社会化」をどう引き寄せることができるのか? 小嶋一浩
モダニズムを包囲する建築の産業化 塚本由晴

第3章 大海原からの息吹
大海原に流れを生み出す「漂流」的能動 藤原徹平
ジェネリックに育った僕たちのもうひとつの空間論に向けて 塩崎太伸
新たなヴィジョンを触発する「漂うモダニズム」 堀越英嗣

第4章 大海原をさまざまに問う
そして、船は行く―「書き割り」の海原を 松葉一清
「日本のモダニズム」 その後ろ姿から想像する今の表情 内田祥士
モダニズムが見えない それでも船を漕ぐか? 横河健
大震災後の建築と人 糸長浩司
モダニズム建築の多様性の再吟味を 保坂陽一郎

第5章 大海原をいかに泳ぐのか
応答「漂うモダニズム」に応える 槇文彦
記事・書評
 「建築士」 2015年10月号 南後由和「モダニズムの彼方を照らす応答集」
 信濃毎日新聞・神戸新聞・新潟日報ほか 2015年8月16日書評面 東浩紀「「普遍性」をめぐる挑戦的な議論
 「建築技術」 2015年9月号
 「週刊現代」 2015年8月22日号 轡田隆史「人生のことば 第212回」
槇文彦(まき・ふみひこ)
建築家、1928年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒、ハーヴァード大学デザイン学部修士修了。槇総合計画事務所代表。主な著書に『見え隠れする都市』『記憶の形象』『漂うモダニズム』「Nurturing Dreams」など。
真壁智治(まかべ・ともはる)
プロジェクトプランナー、1943年生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。プロジェクトプランニングオフィス「M.T.VISIONS」主宰。主な著書に、シリーズ「くうねるところにすむところ」『アーバン・フロッタージュ』『カワイイパラダイムデザイン研究』『ザ・カワイイヴィジョンa、b』など。