マル農のひと

  • 文と絵:金井真紀
    取材協力:道法正徳ほか
  • 装幀:矢萩多聞
  • 定価:本体1,700円+税
  • 四六判並製/248ページ
  • 2020年8月31日 第一刷発行
  • 978-4-86528-288-7 C0095

爆笑必至。パワーワード満載で描く、超パンクな「農のひとびと」ノンフィクション!!

瀬戶内海に浮かぶ島の農協で仕事をしながら道法正徳さんがたどり着いた魔法のような農法ができるまで。ギュッと縛って砂利を撒く驚きの農法はどうやって確立されたのか。
2部では農法実践者のはなしを聞く。隠れキリシタン、水俣、原発…変なおっちゃんに連なるやっぱり変な農のひとたちのはなしから、色とりどりの人生が見えてくる。

『マル農のひと』試し読みnote
 道法さんは国内外を縦横無尽に飛びまわり、各地の農家を集めて講習会を開き、技術を伝えているおじさんだ。いわば「 流しの農業技術指導員」。
 道法さんが説く農法はあまりにも独特なので、初めて耳にした者は誰しも半信半疑になる。曰く、芽の伸ばし方、枝の切り方、実を摘むタイミングなどを工夫すれば、肥料を一切使わなくても作物は元気に育つ。そのうち農薬も不要になる。
 穀物もくだものも野菜もおいしくつくることができて、収量も増える。つまりこれは地球環境を守るとともに儲かる農業 への道である……。
 道法スタイルは既存の自然栽培や有機栽培とはまったく違う。もちろん肥料や農薬をたっぷり使う昔ながらの農協のやり方とはまるで相容れない。ところが道法さん自身がかつて農協の指導員だったというのだから、はなしは俄然おもしろくなってくる。(「はじめに」より)

楽しいおじさんの作った無肥料・無農薬ミカン、
わたしも食べたくなっちゃったわ〜!!
平野レミさん(料理愛好家)
★書店員さんからの声/全文
肥料も農薬も極力使わない、自然に対して傲慢な生き方をしない…という農法を聞くと、いかにも「いいひと」のように聞こえますが、「銭を儲けること」がまず第一で、それから好きな農業をすれば良いと説く道法さん、マジ、信用出来る…!
大きな組織の中にいても決して自分を見失わず、左遷されまくってもめげずに己の道を突き進む道法さんの生き方を読んでいると勇気が出ること請け合い。大げさでなく、希望そのものみたいな1冊です。
市川真意さん(ジュンク池袋)
読後感を一言でお伝えすると、まさに「感動!感動!」です。
道法さんが無意味な組織のしがらみを、結果でもってバッサバッサと打ち負かしていく様は、今絶賛放送中のあのドラマを見ているよう。『日曜劇場 道法正徳』でした(笑)金井さんの軽妙で読みやすい文章と、道法さんをはじめとしたクセが強すぎる登場人物たちに元気をもらい「なんかこの先もおもしろいことが待っていそうだぞ!」という気持ちになりました。
木村勝利さん(TSUTAYA BOOKSTORE ららぽーとEXPOCITY店)
ページを繰る手が止まらなくなった。「なにかを変えるということは、前任者を否定することになるじゃろ」私もつまらない遠慮ばかりして、自ら袋小路に入っていたのかもしれない。仕事に対して最も大切なのは「自分が信じたことをどこまで突き通せるか」なのだと教えてもらった気がした。理由がわからない慣習に苦しんでいる人、普遍的な「組織のモンダイ」に悩んでいるすべての人に読んでほしい一冊。
五坪侑恵さん(タロー書房)
★読者からの声/全文
道法さんが駆け抜けた時代は、まさに高度経済成長真っ只中。
大量生産、大量消費が大前提のモノづくりの世界の中で、様々な違和感を感じ、行動に移した異なる人生があった。
登場人物お一人おひとりがの道法理論に導かれるようにして道法さんの人生と絡まり合いながら、大きな樹になろうとしている。次の時代が求めている「本質を探す人々」なのだろう。道法さんを幹にして、大木がより一層太く強いものになっていくことを期待してやまない。
赤堀香弥さん(だいこんや農園)
「この本に描かれているのは、ちょっとした気づきや疑問から自分で考え至った事に対し、ひたすらに身をもって実践を重ねる道法さんの姿や、そのフォロワーの皆さんの姿でした。
全編にわたって農業を扱いつつも、組織の「慣習」や漫然と流れる「空気」に反して新しい道を開くには、どういった態度で望めばよいのか?という点で、職業を問わず生き方に指針を与えてくれる良書だと思います。
小難しい科学/化学的な分析というよりは、実践と結果検証、その体験の繰り返しにより革新的な手法を見つけるという話にはわくわくさせられます。(そこには「信じる」という要素も関わってくるかもしれません。)
道法さん達の物語に加えて、短い解説コラムもあり、自然農や無農薬栽培などに元々知識・関心のある方は改めて考えるきっかけになり、全く知識が無い方にも入りやすい内容となっています。
「あるある、日本の組織ってそうだよね。。」「道法さんはすごいな!自分ならどうするかな、、」
そんな事を考えながら読むととても楽しめると思いました。」
ホソマリさん(potager)
農業をやっていたことがあるので、農業の本としてもとても面白く勉強になりました。同じく農業をやっている友達にぜひ薦めたいです。肥料を使わず、植物そのものが本来持っている力を発揮させる、という道法さんのやり方は、全てにつながる大事なことだなと感じました。でも道法さんを魅力的にしているのは、何よりも著者の金井真紀さんの文章だと思います。金井さんの、付かず離れずの、冷たすぎず、かといって近くなりすぎない絶妙なスタンスの取り方があるからこそ、すらすらと、あっという間に読むことができました。
(60代女性)
池井戸潤作品並の痛快さ。農業について全然知りませんでしたが、楽しく読めました。ミカンって農薬も肥料も使わなくても甘くなるんですね、というのも面白かったのですが、何よりもこのミカンの作り方を編み出した道法正徳さんがすごく面白い方で、なるほど、マル農の人、という感じ。パンクでロックで、池井戸潤の小説に出てきそうなおっちゃんです。組織にこれでやって、と言われたやり方って本当に正しいの?と立ち止まって考えて、自分が正しいと思ったやり方を貫く。農業だけでなく、あらゆる仕事にいえると思います。
(20代女性)
自分の家は農家だったので、子供の頃手伝っていた畑のことや、産みたての卵のあたたかさを久しぶりに思い出しながら読みました。ひとの人生って面白いなあ。農業界の変人たちをコロナがなかったらひとりひとり訪ねて見に行きたいくらい! そして、色んなひとに会ってこんな話が聞けちゃう金井真紀さんってほんとうにうらやましいと思った。ひととの繋がりや勇気にわくわくしながら読みました。
(78歳 女性)
農業の話?と思って読んでみたら組織の大小を問わず、あらゆる場面で自分たちが繰り返してきた「モンダイ」について書いてあってほんとうに刺さりました。道法さん、キャラの濃さに爆笑しながら、なんだか眩しいんだよな…。
(47歳 会社員男性)

❖ 目次

はじめに
登場人物

第1部 農の伝道師、道法正徳さんのはなしシンプルでまったく新しい農法ができるまで

農法を伝えるために、東へ西へ
え? 縛るだけでいいの?
チャラ男、技術指導員になる
すべては、ひとつの疑問から始まった
ひとを見ないで、ミカンを見る
大切なのは石ころじゃった
ちょっといっぷく1 改めてミカンについて考える
かっこいい先輩、現る
「禁断の縛り」との出会い
その栽培方法はデマですよ
あっと驚く植物ホルモン!
いままでのせん定はまちがっていました
ガリレオになった日
そしてついに、本格的な左遷……
手抜きして、いいミカンをつくる
くだものも野菜も仕組みは同じ
道法スタイルの伝道師となる

第2部 それぞれの農の挑戦
道法スタイルの実践者たち


ゲルに住み、リンゴを育てる 林貴士さん
父親に隠れて道法スタイルを実践する ヘイさん 
ちょっといっぷく2 肥料はいいやつか、悪いやつか
自然栽培を研究する科学者 矢野美紀さん 
酪農から転身し、無肥料リンゴを模索する 松村暁生さん
震災後の福島で、電力およびワインをつくる 山田純さん
ちょっといっぷく3 自然農法とか有機農業とか
兵庫・丹波に住まう農の達人 橋本慎司さん
走り続ける公務員と水俣病のはなし 福田大作さん


おわりに
DOHO STYLE 応援隊

金井真紀(かない・まき)文と絵
1974年生まれ。テレビ番組の構成作家、酒場のママ見習いなどを経て、2015年より文筆家、イラストレーター。著書に『世界はフムフムで満ちている』『酒場學校の日々』(いずれも皓星社)、『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『サッカーことばランド』(ころから)、『虫ぎらいはなおるかな? 』(理論社)など。農業経験は、田植えの手伝いをわずかに5回ほど。


道法正徳(どうほう・まさのり)取材協力 
1953年広島県呉市豊浜町豊島生まれ。肥料・農薬を施さない安全でおいしい果樹・野菜づくりの提案、地球環境に重要な地下水を守る農業技術の普及に努めている。国内外で指導、講演を行う。株式会社グリーングラス代表。著書に川田健次名義で『高糖度連産のミカンづくり』(農山漁村文化協会)、監修した本に『道法スタイル 野菜の垂直仕立て栽培』(学研プラス)など。

書評・記事
2020年9月26日 毎日新聞 藻谷浩介・評 『マル農のひと』=金井真紀・文と絵、道法正徳ほか取材協力 
2020年9月29日 SUNDAY LIBRARY 著者インタビュー 金井真紀『マル農のひと』