楡の茂る頃とその前後![]()
俳句アンソロジー『新撰21』 『天の川銀河発電所』入集、繊細な文体で高く評価された若手作家による、待望の第一句集。存在の眩しさ、そして儚さをめぐる264句。
この明るさをどこかで知っていたような気がして、それは何であっただろうかと、しばらく考えていた。ーー鴇田智哉 藤田の句は本質的に抒情句であり、その抒情の過剰さを押し留める堰としての筆致の端正さがある。ーー生駒大祐 ![]() ❖目次 Ⅰ ルーペ/Ⅱ 別れの日/Ⅲ 音信不通/Ⅳ 瑠璃子/Ⅴ 言う/Ⅵ ラッシュ/Ⅶ 居候/Ⅷ 楡の茂る頃とその前後 栞:鴇田智哉「ある日あるときの」/生駒大祐「天体から冬木へ」 アイスコーヒー空青きまま夜に入る 忘れまた深く眠りぬ龍の玉 孤独ありダウンジャケット抱くと萎ゆ 長閑なり誰かが浜に残す線 台北湿度九十東京湿度百 秋風や汝の臍に何植ゑん そして木が榠樝を容るころ 音信不通以後の鯖雲はためくシーツ セーターから首出すときの真顔です いつかある時の終わりの冷ややかに 藤田哲史(ふじた・さとし) 記事・書評 「毎日新聞」2020年2月2日「今週の本棚・CoverDesign 菊地信義・選」 「朝日新聞」2020年3月29日 青木亮人俳句時評「うつろいの響き」 |