朝日新聞(10月23日付)にて、鴻巣友季子さんより『〆切本』をご紹介いただきました。

朝日新聞(2016年10月23日付)の読書欄にて、鴻巣友季子さんによる『〆切本』書評が掲載されました。

原稿の〆切ほど、人と人が生々しくぶつかりあう場があろうか。〆切は戦場であり友愛の場でもある。編集者は最初の読者であり、最初の批判者でもありうる。(略)原稿を取る編集者は、ときに刑事に化け、ホテルで居留守を使う作家を追いつめる。作家も手詰まりの挙句、高野山に立て籠もる谷崎潤一郎あれば、「殺してください」と申し出る井上ひさしや、自分の心の中に悪魔が住んでいると宣(のたま)う田山花袋ありで、ほとんどオカルトものだ。編集者はエクソシスト(悪魔祓い)か!? 当たらずといえども遠からず。土砂降りのなか雷鳴と共に担当者が催促に駆けこんでくると、横光利一が格子に頭を叩きつけ「うーん、うーん」と悶絶する怪奇な一幕もある。そう、書き手は心に憑いた魔を、書くことで外に出さなくては生きられない。その「祓い」をしてくれるのが担当者なのだ。本書にも、担当者のために書くと言う作家が、川端康成をふくめ大勢いる。

新たな読み方を示唆してくださった鴻巣さん、ありがとうございます!
『〆切本』は全国の書店にて大好評発売中です。