「複眼の文節を鎖列として構成する聖社会学」『おはぐろとんぼ夜話』書評掲載

「週刊読書人」2017年5月19日号に、丸山健二著『おはぐろとんぼ夜話』の書評が掲載されました。評者は文芸批評家の岡本勝人さん。
「複眼の文節を鎖列として構成する聖社会学」
丸山健二の詩小説は、一見破形の美による詩章の語りともとれるが、そこには、社会の構造のなかに人間の多様な生態がリアルに、あるいは比喩的に書きとめられている。それらは、社会的存在としての人間の生態だけでなく、動植物や昆虫との自然と反自然とのつながりをも映し出していて、現代を生きる人間とは何かを語らずにはいない。作者は此岸から彼岸をみる。登場人物の心性と外界の描写には、現代社会の現象がちりばめられている。屋形船の複眼から眺められるのは、現代の風景である。(略)

「混迷した世界との対決と緊張感が絡み合う、自然と社会と聖なるものの社会学を語る遠大な幻想的文学である。」とも。ありがとうございました。