『高校生と考える人生のすてきな大問題』、陣野俊史さん評

2017年4月20日付の日本経済新聞夕刊、目利きの選ぶ3冊コーナーで、『高校生と考える人生のすてきな大問題』を文芸評論家の陣野俊史さんにご紹介いただきました。
神奈川県にある桐光学園が面白いことをやっている。土曜日に「大学訪問授業」を行っているのだ。生徒たちは普段は大学で教えている先生の講義を聴く機会を得る。講義録が本になった。3冊目だという。
この企画の肝は、誰の講義を聴きに行くか、に尽きる。3冊目に登場する「教授」は、田原総一朗や竹宮惠子、加藤典洋、佐伯啓思といった、いわばお馴染みの著名人もさることながら、たとえば、詩人でドイツ思想研究者の細見和之や、小説家でフランス語圏文学研究者の小野正嗣が、高校生に話をしているのがいい。正直、10代で彼らの話を聞けていたら!と羨ましいかぎりだ。できれば若者との質疑応答をもう少し読みたかったかも。

評は★★★★です!
ありがとうございました。

朝日新聞「折々のことば」にトミヤマユキコさんの言葉が掲載されました。

2017年4月16日の朝日新聞「折々のことば」で、『大学1年生の歩き方』著者のトミヤマユキコさんの一行が紹介されています。
なんでも食べられるという利点が、エサみたいなビジュアルのガッカリ飯を生み出す。
哲学者、鷲田清一さんの朝刊コラムにてご紹介いただきました。
全篇はこちらからお読みいただけます。

『〆切仕事術』の上阪さん著者インタビューが掲載されました

サイト「WEDGE Infinity」に、『〆切仕事術』の著者・上阪徹さんのインタビューが掲載されています。

――私たちの仕事もそうですが、書く仕事において〆切りは絶対で、破る人がいるとはにわかに信じられないのですが。

上阪:平気で破る人がいるのは確かです。私には正直、守れないという感覚がわかりません。〆切りを守っていると良いことばかりです。催促にびくびくしなくていいし、コミュニケーションも円滑になる。ストレスもない。利点ばかりですから、守ったほうが余程いいのにと思います。
「〆切りに追われるよりも追いかける方がずっとラクですよということを多くの人に知ってもらいたいと思いました」という上阪徹さん。文章を書く仕事に限らず、上阪さんから学ぶことはきっとあるはず!
2017年3月31日掲載、聞き手は中村宏之(読売新聞東京本社調査研究本部 主任研究員)さん。全篇は下記でお読みいただけます。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9238

「現代詩手帖」野村喜和夫さんの特集に吉田文憲さんの『芭(塔(把(波』論が掲載されています

発売中の「現代詩手帖」2017年4月号、特集「野村喜和夫と現在」に、吉田文憲さんによる『芭(塔(把(波』論が掲載されています。
音とは何か。それを表記する漢字とは何か。またその傍らの小さなカタカナ、ルビとは何か。ルビを野村氏は「微小な翻訳空間」といっている。これがこの詩集の一つの発見だともいえようか。(略)象徴的にいえば、この、

芭(塔(把(波

の、こういってよければクレオール的な混成言語、翻訳言語、漢字の問題、その表記のズレとルビのあいだを旅したのである。
本特集の目次などは、思潮社のHPをご参照ください。

『高校生と考える人生のすてきな大問題』がブログ「私立学校研究」で紹介

神奈川県の私立桐光学園で行われた連続特別講義をもとに書籍化され、高校や中学の現場に立つ先生たちにもよく読まれている『高校生と考える〜』シリーズ。2017年3月末刊行の最新刊『高校生と考える人生のすてきな大問題』が、私立学校研究で知られる本間勇人さんのブログ「私立学校研究(C)ホンマノオト」で取り上げられています。

☆400ページ強の圧巻の書であるが、もう15冊目。この授業は20年弱実施しているのだろう。継続は力なりではもちろんあるが、何より知の最前線の歴史的変遷がわかる貴重な日本の知の最前線史の資料としての価値もある。

☆これは、東大や京大の大学入試問題を分析していく過程でもわかるのだが、桐光の「大学訪問授業」の資料の方がダイレクトだし、その量も多い。なんといっても多様な分野の授業が行われているから、横断的な視点の進化過程も了解できる。

☆いずれもおもしろい授業なのだが、森田真生氏の数学が人生の活路を開き世界を変えてしまう話は最高。放物線を見て、そこからデカルトが帝国から近代社会にパラダイム転換する世界を生み出す話など、数学嫌いの私でもワクワクする。

☆中学数学の教科書は、19世紀末までの数学の標本で、高校の数学教科書になると19世紀末に生まれた現代数学以降の標本であるなんて発想に行きつくところもスリリングだ。数学的思考が歴史の次元をヴァージョンアップさせてきたなんてことが、教科書を眺めてかなたに見えるなんてなるほど人生のすてきな大問題だ!

☆それから、内藤千珠子氏の≪見えない暴力と「私」の居場所≫が、これまたスリリング。かつて「普通」だと思われてきた領域が縮小し、その「普通」を保守するために、「普通」からはみ出した領域の人々を排除する≪見えない暴力≫の存在を暴露していく。

☆世界を変えるというのは、変えたいからという欲望からでてきているのではない。変えなければならないのっぴきならないニーズがいまここに顕れているからなのだ。その世界の痛みを引き受ける知性の塊がこの大学訪問授業であり、その書である。

「私立学校研究」2017年4月1日:クリエイティブクラス≪05≫ 桐光の知 世界の痛みを引き受け数学的思考で新しい世界を開く

本間勇人さんは、日能研でカリキュラム開発、評価開発に携わったのち、NTS教育研究所を設立、私立教育を中心にブログで情報発信、評論活動を続けている第一人者のひとりです。ご紹介ありがとうございます。

『障がい者の就活ガイド』日本経済新聞夕刊に短評掲載

企業の人事課や、行政の担当部署などからもお問い合わせいただき、好評発売中の紺野大輝著『障がい者の就活ガイド』の短評が、日本経済新聞に掲載されています。
2017年2月16日夕刊の「目利きが選ぶ3冊」、中沢孝夫先生があげてくださいました。

民間企業で45万人の「障がい者」が働いていると本書。それは暮らしのためだけではなく、人々の生き方とかかわっている。各自にできること、得意なことがある。

ありがとうございました。

新潟日報「気になる一冊」に『〆切本』の紹介

新潟日報(2016年11月26日付) 上越かわらばん「気になる一冊」にて『〆切本』をご紹介いただきました。

一日でも〆切を延ばしてほしいあまりに飛び出した嘆きや愚痴・文句…読めば読むほど開き直りにしか読めない文章の数々。しかし、その文章が人間味あふれ、作家が急に身近に感じられるようになりました。〆切に追い詰められ妄想を繰り返す様子はクスッと笑えました。
こんな言い訳や手紙をすらすら書くのなら、作品だって同じように書けるのでは? と素人である私は思ってしまったのですが、文筆家たちの作品へのこだわりが苦しみとなっていることがよく分かる本でもありました。
この苦しみがあるからこそ、大作やベストセラー作品を生み出せるのではないかとも思いました。
作家でなくても、子どもの頃は宿題の提出、学生ならリポートの提出に追われたことはよくあるでしょう。大人になってからは、報告書や会合の出欠など何かにつけて〆切と付き合う日々です。やり始めればすぐ終わるのに、ぐずぐずして…なんて経験も多いはずです。
だからこそ、作家の切迫した苦しみが、わがことのように共感できるのだと思います。この本は、〆切があるから頑張れることを教えてくれる作品となっています。「人生とは、〆切である」(最終章題)。(JPIC読書アドバイザー 朝日仁美)

ご紹介ありがとうございました!

産経新聞に『「ひきこもり」経験の社会学』の書評

産経新聞(2016年11月6日付)の読書欄に、『「ひきこもり」経験の社会学』の書評が掲載されました。評者は静岡大学の荻野達史教授です。

聞き届けられない絶望…
 ひきこもりが広く認知されて20年近くなるが、一時期のような注目は集めなくなった。それはおそらく、単に目新しさを失ったということではない。他の言葉で論じることもできると思われるようになったからであろう。
 (略)
 「ひきこもり」には、他の言葉や問題に回収されるのを頑なに拒むところがある。多くの当事者は、そして一部支援者も、他の言葉にすると取り落とされる苦悩があり、それは戦後日本のあり方に深く関わるはずだと感じてきた。本書は、今この時期に、こうした思いを丁寧にすくい上げ、系統的に論じたことにおいて、きわめて貴重である。
(略)
 本書はまた、この懊悩が、戦後日本の社会保障のあり方に根ざすことを明確に提示している。他のOECD諸国に比べ、顕著に国家による保障が薄く、企業と家族に生活の保障が多く委ねられてきた。それゆえ、「まともに就職」できない者は、即座に家族の危険因子となる。学校から企業へと順調に進めない者の生きる道筋はひどく狭く、この道を外れ懐疑する語りは無意味とされ、ときに憤怒を誘う。
 だがかれらが生き直すためには、混乱を語り受け止められることで、自分なりに生きうる物語を別様に紡ぐことが必要だ。頓挫した生の混沌を語り聴かれる社会が、本書で希求されている。人生を組織任せにはできなくなった時代、その豊かさは誰にとっても求められるもののはずだ。


ご高評、まことにありがとうございました。

朝日新聞(10月23日付)にて、鴻巣友季子さんより『〆切本』をご紹介いただきました。

朝日新聞(2016年10月23日付)の読書欄にて、鴻巣友季子さんによる『〆切本』書評が掲載されました。

原稿の〆切ほど、人と人が生々しくぶつかりあう場があろうか。〆切は戦場であり友愛の場でもある。編集者は最初の読者であり、最初の批判者でもありうる。(略)原稿を取る編集者は、ときに刑事に化け、ホテルで居留守を使う作家を追いつめる。作家も手詰まりの挙句、高野山に立て籠もる谷崎潤一郎あれば、「殺してください」と申し出る井上ひさしや、自分の心の中に悪魔が住んでいると宣(のたま)う田山花袋ありで、ほとんどオカルトものだ。編集者はエクソシスト(悪魔祓い)か!? 当たらずといえども遠からず。土砂降りのなか雷鳴と共に担当者が催促に駆けこんでくると、横光利一が格子に頭を叩きつけ「うーん、うーん」と悶絶する怪奇な一幕もある。そう、書き手は心に憑いた魔を、書くことで外に出さなくては生きられない。その「祓い」をしてくれるのが担当者なのだ。本書にも、担当者のために書くと言う作家が、川端康成をふくめ大勢いる。

新たな読み方を示唆してくださった鴻巣さん、ありがとうございます!
『〆切本』は全国の書店にて大好評発売中です。