管啓次郎詩集『島の水、島の火』、蜂飼耳さんの書評

 管啓次郎詩集『島の水、島の火 Agend’Ars2』の書評が、2012年1月7日発売の「図書新聞」1月14日号(第3045号)に掲載されています。評者は詩人の蜂飼耳さん。

 限りある人間の生を飲みこんではめぐる自然。詩はそこへ触れるものだ、という見方には心をひかれる。読み進める目を、ふと立ち止まらせる言葉がある。たとえば「雨よ降れ、水は上昇する/かれらの音響は歴史以前の轟音」とか「光にならなければ樹木からは見えないのであれば/ヒトは発光をめざすべきだ」とか「さあ、やりなおそう、この強い水に足を濡らして/よろこびこそ生命における最大の批評なのだから」といった箇所。作者の、詩に対する思い、詩になにを見ようとし、なにを託しているのかが伝わってくる。さらさらとしていて、清潔なたたずまいだ。

「言葉も声も消えてゆく。だからこそ詩を求める。作者は人間と詩との根源的な関係を嗅ぎ当てている。この詩集は、そこに結実した明るい果実だ。」と評していただいています。