長谷川宏さんの『評伝プレヴェール』書評

 発売中の「婦人之友」2012年5月号に、哲学者・長谷川宏さんによる柏倉康夫著『思い出しておくれ、幸せだった日々を 評伝ジャック・プレヴェール』の書評が掲載されています。

 自由気ままに生きながらまわりの人びとに心を寄せ、共に楽しく日々を過ごす。それがプレヴェールの暮らしぶりだった。俳優のジャン・ギャバンや映画監督のマルセル・カルネとの友情には素朴な信頼感と巧まざるユーモアが絶えることがなく、しかも、その信頼感とユーモアの背景には、湿っぽくも激しくもない、知的な抵抗の精神が流れている。

 文章がいい。柏倉康夫の悠揚迫らぬ落ち着いた文体が、軽やかな知性の人の評伝にふさわしい。装幀も美しく、わたしは読後しばらく本を手元に置いて余韻に浸っていた。

 『パリ五月革命私論』(西川長夫)、『フランス文学講義』(塚本昌則)とあわせての紹介は、「精神(エスプリ)の光」と題されています。
 ご紹介ありがとうございました。