『絵はがきの別府』の書評が「図書新聞」に掲載

「図書新聞」2012年9月15日号に、『絵はがきの別府』の書評が掲載されています。評していただいたのは、東京から別府に移り住んで20年という作家の中山士朗さん。



 ひっきょう日清・日露戦争の明治から、日本の近代化をめざした大正から昭和の初期にかけての歴史を縦糸にして、膨大な写真絵はがきのコレクションを横糸にして織り上げられた別府の歴史ともいえるが、良くも悪くも近代化を進めた、日本の風景がその背景に横たわっているのが感じられた。
 しかも巨視的、微視的なレンズでさまざまに切り取られた空間を同一寸法の写真絵はがきに収めているが、このおびただしい枚数を制作した発行者、それを長年かかって収集したコレクター、それを厳選し、学術的に構成した都市史、建築史の専門家が三位一体となって作り上げた、貴重な、湯けむりの〈記憶の継承〉碑とも思える。


 本書を読みながら、小学生のときに修学旅行ではじめて別府を訪れたときの風景がたちまちよみがえったとお書きいただいています。本書には、いわゆる手土産として絵はがきというイメージを超えた、近くて遠い日本近代の風景を甦らせる写真絵はがきの数々を多数収録しております。