『ラインズ 線の文化史』書評掲載情報

世界的な文化人類学者の代表作のはじめての邦訳として注目を集めているティム・インゴルド『ラインズ 線の文化史』の書評が、2014年6月21日の「陸奥新報」読書面に掲載されました。
評者は広島国際大学准教授で哲学が専門の甲田純生さん。

一体、何の本と言うべきだろう。巻末の解説文ではいみじくも「要約しにくい本」と述べられている。まさにそのとおり。(中略)

私たちは“ライン”と言えばすぐに「直線」を思い浮かべる。それは近代合理性の象徴である。現代の都市にそびえるビルのように計算された、無駄のないライン。
だが、著者は生命というのは本来、「徒歩旅行者」のようなものと言う。時に寄り道をしながら、行きつ戻りつを繰り返す。生物はアメーバからホモ・サピエンスまで一直線に進化してきたわけではなく、人類の歴史も絶えざる進歩ではない。
急ぐな! 時に歩みを止めて、あたりを見回せ! 社会人類学者である著者はラインについて考察しながら、私たちにそう警告しているのかもしれない。

評していただいたように、世の中に無数に存在するライン(文字、楽譜、織物・・・)について思いをめぐらしながら、世界を“逍遥”する本書から、さまざまな発見が得られるハズです。あらゆる関心の読者に手にしていただきたい1冊です。