週刊朝日に『ラインズ 線の文化史』書評

週刊朝日(26年8月8日号)、「話題の新刊」にて『ラインズ 線の文化史』が取り上げられています。

紙に書かれた文字、糸によって織り込まれたスカーフ、踏み続けられてつくられた草道。このように私たちは様々な「ライン」に囲まれて生活を営んでいる。本書では人類学者である著者が、これらの分類に挑み、ラインを用いる私たちの人生の在り方までを考察した。
 本書に引き合いに出されるラインは、手相、中世の楽譜、星座、一三〇〇年に中国の書家によって書かれた「李白」の詩、建築家のスケッチなど多伎にわたる。著者はこれたのものを、表面をつくり出す「糸」と表面に加えられたり刻まれたりする「奇跡」として対比させながら「ライン」とは何であるのか?」という自らの質問に答えていく。
著者はラインを点と点のあいだを繋ぐものではなく、点と点を散歩するものだと定義する。ラインの進もうとするその運動こそに意味があるというのだ。なぜなら、どこにも縛られない自由なラインの動きこそが新しい場所を発見し、つくるからである。そして、それは人生においても同じだと言う。「面白いことはすべて、道の途中で起こる」という著者の人生論にも共感が持てる一冊だ。


評者はすんみさん。ありがとうございます!
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