酒井順子さんによる『翻訳問答』の書評が掲載されました
2014年8月10日の東京新聞読書面に、片岡義男・鴻巣友季子『翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり』の書評が掲載されました!
毎週ひとりのひとが、テーマに沿って選ぶ「3冊の本棚」コーナー。選者は「古典の現代語訳に挑戦中の今、訳業本に夢中」という酒井順子さん。 片岡義男氏と鴻巣友季子さんが、ジェーン・オースティンやサリンジャー等、数々の名作の冒頭部を翻訳合戦しているのは『翻訳問答』。それぞれの作品について二人の対談が添えられているのですが、作家と翻訳家、男と女といった立場の違いによって、翻訳ポリシーの差異があぶり出され、翻訳という行為の奥行の深さに、目眩がしそうになります。 酒井さんが挙げているほかの2冊は、米原万里『不実な美女か 貞淑な醜女か』(新潮文庫)、野崎歓『翻訳教育』(河出書房新社)。 片岡さんは、あらゆることが翻訳されてしまう日本では、すべての問題は翻訳の問題だ、と指摘します。本書『翻訳問答』も、酒井さんが挙げているそのほかの2冊も、ただの外国語談義に収まらない刺激を秘めています。この夏の読書にぜひどうぞ。 |