瀧井朝世さんの『翻訳問答』レビュー。

瀧井朝世さんのブックレビュー「サイン、コサイン、偏愛レビュー」で、片岡義男+鴻巣友季子『翻訳問答』が取り上げられています(「波」2014年10月号)。
翻訳とは単に直訳すればいいというわけではない。直訳すると日本語として分かりづらいものもある。また、言葉の選び方ひとつで作品の雰囲気は大きく左右されてしまう。単語ひとつひとつと真剣に向き合う訳者がいてくれてこそ、海外文学を日本語で楽しむことができる——ということは十代の頃から分かっていたつもりだったが、最近になって打ちのめされた。片岡義男・鴻巣友季子『翻訳問答』を読んだからだ。(中略)お二人の訳を見比べて、その相違点にいちいち驚かされる。なるべくフラットに訳そうとする片岡氏と、作品によって時には大胆にもなる鴻巣氏。やたら長い文章をどう分解し再構成するか(チャンドラーの訳しづらさ!)、固有名詞の表記は現地の発音と日本語の響きのどちらを優先するか。一言一句丁寧に検討していることを思うと、翻訳小説を読むときは正座してしまいそう。翻訳小説好きな人は全員これを読んだほうがいいよ!と大声で言いたくなる一冊。

ご紹介ありがとうございます!
今回のレビューのテーマは「翻訳という技」、あわせて取り上げられているのは、舞城王太郎訳、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』、松田青子訳、カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』です。