図書新聞に、大西赤人さん×三浦しをんさんの対談が掲載されています

図書新聞2014年10月11日号の1面トップに、去る7月17日、ジュンク堂書店池袋本店で『日本人論争 大西巨人回想』刊行記念として行われた、大西赤人さんと三浦しをんさんの対談のもようが掲載されています。

(略)
三浦 私は大学を卒業してから古本屋でアルバイトをしていたんですが、そのときに「大西巨人さんの『神聖喜劇』はありますか」と探しているお客さんがすごく多かったんです。主におじいさんなんですが、そのなかで架空戦記物が好きなお客さんも探していたんですね。その頃は巨人さんの本がちょうど絶版になっていた時期で、私はお名前を存じ上げず、大橋巨泉だと思ったんです。
大西 ままある話です(笑)。
三浦 それで、大橋巨泉がまた何か人生本を出したのかなと思ったんですが、どうして架空戦記好きのおじいさんまで探しているのかと、不思議で不思議で。古本屋の先輩に訊ねてやっと解明したんですが、みんながそんなに探している小説だということは、きっとすごく面白いんだろうと思って読んでみようとしたものの、とにかく手に入らなかったんですね。そうしているうちに、光文社文庫で復刊されてようやく読めるようになり、読み始めたら止められず、一気に読んでしまったというのが出会いですね。そこからは新しい作品が出れば買って読んで、それに並行して過去の作品も遡って読んでいきました。

(中略)

大西 『神聖喜劇』などに出てくる女性像というのは、三浦さんから見るとどう感じられますか。
三浦 だいたい、女性の書く男性像はおかしいと言われ、男性の書く女性像もおかしいと言われますよね。異性に対する偏見や無知といったものがおかしさとして表れていた場合には拒絶したくなるのですが、大西巨人さんが描いた女性像には憧れや希望が表れていると感じるので、私は好きです。登場人物について言えば、出てくる人びとは総じて変ですよね。それは性別に関係なく、人間が本質的に持っている「変さ」なのだと思います。
大西 男性の登場人物については、こんな人はいないよとは言われないんだけれど、女性についてそう言われがちなところが、おもしろいところですね。

(中略)

大西 (略)『日本人論争』にも出てきますが、書き損じの原稿用紙を裏返して束ねてノートにしてくれていて、私はそれを雑記帳にしていたんです。透かすと原稿用紙のマス目が見えて「大前田は」とか書いてあるんです。「大前田は」で反故になっていて、次のページを透かして見ると「大前田が」に変わっていて、「大前田がそのときに」でまた反故になっている。一字二字の書き換えをしているんですよ。そういう推敲を見ていると、作家になんかなるもんじゃないと、子ども心にしみじみと思いましたね(笑)。原稿用紙の半分くらいまで書いてからの直しは、切り張りをしたりしてありました。

当日は、本記事にも起こされている、編集上の指定までが綿密に書き込まれた原稿用紙のことや、大西赤人さんからみた大西巨人の「日本人」への思いなどのほか、レゴブロックにまつわるエピソードなど人柄をしのばせる逸話もいろいろと紹介されました。イベントにご参加いただいたみなさまに改めて御礼申しあげます。