「週刊読書人」に『ピエール・クロソウスキー 伝達のドラマトゥルギー』書評掲載

「週刊読書人」2014年11月28日号に、大森晋輔『ピエール・クロソウスキー 伝達のドラマトゥルギー』の書評が掲載されています。評者は早稲田大学の吉田裕先生です。
彼[クロソウスキー]の書いたもの・描いたものは多岐にわたりきわめて錯綜しているが、大森は主要な主題を、演劇、サド、ニーチェ、創作、翻訳、絵画の六つに絞り込んだ上で(エコノミーが十分に取り上げられていないのが残念だが)、共通する問いを取り出して見せた。
(略)ファンタスムは、演劇においては複数の自我を持つ俳優という存在であり、サドにおいては肉体を自然による規定とは別様に用いる倒錯的行為であり、ニーチェにおいては病という身体の意識であり、『歓待の掟』三部作においてはロベルトという「無意味の記号」である、等。これら諸主題間の錯綜する対応関係を明快に解き明かしたことがこの本のまず挙げられるべき功績だろう。
だが、切り開かれた視野はそこに留まらない。問いは凝縮され、ある移行を促す。それを捉えたのがこの論考のいっそう注目すべき功績だろう。
また、「この難解な芸術家の姿がこのように立体的に捉えられたのはたぶん初めてのことだろう」とも評していただきました。ありがとうございました。