東浩紀さんによる『応答漂うモダニズム』評が各紙に掲載されています

信濃毎日新聞、神戸新聞、新潟日報など各紙に、東浩紀さんによる『応答漂うモダニズム』書評が掲載されました(2015年8月16日)。

本書では、20代から80代まで、17人の建築家と研究者が応答を試みている。いずれも第一線の人々だ。とはいえ答えは明確ではない。「東日本大震災」と「レム・コールハース」という固有名がかろうじて目立つ程度で、状況認識は拡散しており、それそのものが、何よりも槇が指摘した混乱を証拠立てている。
むしろ本書については、読者各人がヒントを探すのが正しい読み方だろう。個人的には、藤村龍至の動員への注目、中谷礼仁の死者という問題提起、小嶋一浩によるブラジル建築の再評価、松葉一清の政治性への目配せなどが印象に残った。
グローバル化と情報化により、近代主義の理想が実現した「ように」見える現代。ショッピングモールとインターネットが世界を覆い尽くした時代に、あらためて「普遍性」を考えることに意味があるのか。すべてイケアとユニクロでよくないか。本書の議論が、建築を超えて、ポストモダンな日本社会の新たな指針につながればよいと思う。

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