松村由利子さんによる『翻訳問答2』の書評が掲載されました

2016年3月13日付の西日本新聞に、鴻巣友季子編著『翻訳問答2 創作のヒミツ』の書評が掲載されました。評者は歌人の松村由利子さんです。

有名な文学作品の一部を翻訳し、対談しながら訳文を比べるという内容は、スリリングそのものだ。特に、英訳された日本の古典文学を、再び日本語にしてみる試みは面白い。いったん英訳されて抜け落ちたり付加されたりしたものを書くにすることで、日本語の特性やニュアンスが再確認できるからだ。
(中略)
角田光代は、ラフカディオ・ハーン「雪女」を担当。雪女が若い美濃吉に近づいてささやく場面で、角田は「とてもきれいな顔だ」、鴻巣は「いい男ぶりじゃ」と訳す。雪女が覆いかぶさる場面であれば、「顔」という語の方が距離的に適切ではないか、と鴻巣は言う。恋愛小説の妙手、角田のセンスをうかがわせる箇所だ。

第1弾『翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり』では「互いの小説観、翻訳論が明らかになるプロセスが興味深かった」、そしてこの第2弾では「鴻巣が次々に他流試合に挑むような楽しさが加わった」、とご紹介いただきました。ありがとうございました!