産經新聞に『トランプ現象とアメリカ保守思想』書評が掲載されました

2016年8月21日付の産經新聞に、会田弘継著『トランプ現象とアメリカ保守思想』の書評が掲載されました。
評者は、東京外国語大学教授、アメリカ政治史研究の金井光太朗さんです。

トランプは極端で俗受けするパフォーマンスばかりが注目されてしまうが、本書はトランプ「現象」の本質を考察するものである。トランプの信条や主張以上にアメリカ社会全体で何が起こっているか知る必要性を著者は強調する。
今の政治情況を理解するのに重要なのは、公民権運動が大いに盛り上がった1960年代以降生じた社会の根本的変革であったという。[中略]
ベトナム敗戦や経済の停滞でアメリカの威信は傷つき、社会の主たる白人中間層、中でもその下位の人々は追い詰められ不安を抱き、次第に理念追求の負担に怒りを強めていった。こうした中間層の心情を代弁してかつてブキャナンが、そしてトランプ自身も大統領選挙に出たことがあった。基本的にトランプはその時と変わっていない。アメリカ社会の方がワイマール化とも言われる不安定な状態にあることで、従来泡沫候補とされてきた彼が大きな勢力に押し上げられているとの見方は説得力がある。
[中略]
トランプ現象が実は現代アメリカで進行している白人主流社会の転換期をよく映し出しているとの主張は傾聴に値するであろう。

ありがとうございます。
2016年8月現在、トランプが大統領選本選をどのように戦うのか、それをアメリカ国民がどう判断するのか、まだ予断を許しません。いま起きていることを考えるための1冊として、より多くの方に本書を手に取っていただければと思います。