訳者インタビューが掲載されました

2017年8月8日の毎日新聞夕刊文化面に、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』の翻訳者、東辻賢治郎さんのインタビュー記事が掲載されました。

読者を導くのではなく、一緒に迷う本。歩くことの豊かさを著者が発見してゆく一種の紀行文だと思います。

近年、政治的デモが起こるようになってきました。あるいは、目に見えない歴史を探る地形散歩のテレビ番組や(スマートフォン向けゲーム)のポケモンGOのブーム。これらの意味を考えるきっかけになると思います。
そして、本書の終章の舞台がラスベガスであることについて、
ソルニットはラスベガスの中心部で意外にも歩行が生き残っているのを発見します。歩行という振る舞いには、さまざまな抑圧にあらがう面がある。明るい結論と言っていいのでは。
記事は、「著者の深い思索のつぶやきが端正な日本語の奥から響いてくる。心身を少しだけ野性に戻すことで日常を旅、それも極めて知的な旅に変えてくれる1冊だ」と締めくくられています。
「ブラタモリ」などの街歩き番組がとても人気なのも、いまここに見えるものの、0.5枚後ろにあるものが何なのか、それを見つけてゆくことにみんなが興味を持っているのではないか。そう考えると、実はみんなが歩くことに静かな欲望をもっているのではないか。インタビューの当日にはそんな話題にもなりました。
多くの読者の旅を誘う1冊になればと思います。