仲俣暁生さんによるソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』書評掲載

「婦人公論」2017年9月号の本の紹介コーナーにて、仲俣暁生さんによる、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』評が掲載されています。

古来、歩くことは思索と深く結びついてきた。「哲学者の道」と呼ばれるものは世界各地にあるし、古代ギリシャには「逍遥学派」と呼ばれた哲学者たちがいた。さらに歴史を遡れば、そもそも直立歩行こそが人類誕生の契機だった。
だがそれだけではない。歩くことは、バラバラになりかけている世界を二本の脚で縫い合わせ、全体性を回復させることでもあるのだーー本書はそんな刺激的な視点で綴られた、人とその「歩行」という行為をめぐる長大なエッセイである。
(略)やがて読者は「書くこと」や「読むこと」が、「歩くこと」にきわめてよく似ていることに気付かされる。(略)
〈歩くことの理想とは、精神と肉体と世界が対話をはじめ、三者の奏でる音が思いがけない和音を響かせるような、そういった調和の状態だ〉。本書の魅力は、アフォリズムのように響くこのようなきっぱりした彼女の声にこそある。

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