読売新聞夕刊のコラムに『ウォークス 歩くことの精神史』が取り上げられています

2017年9月1日「読売新聞」の夕刊のコラム「にほんご」のテーマは、「歩行」。国立新美術館で開催中の「ジャコメッティ展」、豊橋技術科学大学の岡田美智男教授が開発する、手をつないで歩くためのロボット「マコのて」とともに、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』が取り上げられています。

一歩一歩の連なる歩行のリズムが思考のリズムを産み、肉体と精神と大地が和音を響かせる−−。邦訳が出版された米国の歴史家レベッカ・ソルニット著『ウォークス 歩くことの精神史』が、歩行と文明の共鳴を訪ね巡った大著だ。
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人間の思考の速度を置き去りにして、世界は超高速で最短距離を走る。自家用車が車庫から車庫まで人を運び、インターネットの情報やサービスは外出をどんどん不要にする。一日に数千歩しか歩かなくなった人々は、肥満や老化防止のため、スマートフォンで歩数を確認しながら、ウォーキングマシンで無心に汗を流す。
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目的のない散歩や思索を中心に据える生き方は、もはや反時代的だろうか。それとも取り戻したい理想だろうか。

本書に続けて紹介されているのは、散歩の時間そのものを描くことが主題といってもいいかもしれません、1996年刊行の保坂和志さんの小説『季節の記憶』。コラムは編集委員の尾崎真理子さんの執筆です。ご紹介ありがとうございました。