「すばる」に『ウォークス 歩くことの精神史』が紹介されています

「すばる」2017年10月号の「読書日録」に、R・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』が紹介されています。

五百頁の分厚さにたじろぎつつ、『ウォークス 歩くことの精神史』を読みはじめる。(略)
身体を壊してみると、人間が脳からの信号で無意識に歩けることがすでに奇跡だと思える。歩くことで脳や精神が活性化して何かに至るは、さもありなん。しかし単なる歩行と彷徨はまた違う。人には〈さすらう才能〉の有無があるというソローの言説はとても興味深く、ひたすら歩くことが超越した存在に近づく手だてになる聖地巡礼についての論考も面白かった。
ふと、昔、友だちと英国のホープエンドという田舎町に滞在したときのことを思い出した。その名の身もふたもなさに惹かれて行っただけなので、することもなく、私たちは毎日ぶらぶらと歩いていた。その日も夕食前の散歩と称して果てなき草原の一本道をただ歩いていたのだが、何のしわざか、私の両手はいきなり縦笛を吹くポーズをとり、足は膝高く行進をはじめた。それを見た友人、すかさず……(以下略)

「読書日録」は今号から、編集者で文筆業の鈴木るみこさんの執筆。とりあげているのは、野見山暁治さんの名エッセイ『とこしえのお嬢さん』、小人のノームの百科事典?、遠藤周作も翻訳陣に加わっている『ノーム 不思議な小人たち』、そして『ウォークス 歩くことの精神史』です。ありがとうございます。