鴻巣友季子さんが『ウェイリー版源氏物語』を評してくださいました

2017年12月24日の毎日新聞書評面に、鴻巣友季子さんによる源氏物語の書評が掲載されています。今年から刊行がはじまった、角田光代さんの現代語訳とあわせて、源氏物語の「解体分析であると同時に、再統合であり再創造であると言えるだろう」と評してくださいました。

今年は日本における『源氏物語』にとって、革新的な年となった。一つは、角田光代による画期的な現代語訳の刊行が始まったこと。もう一つは、「源氏」の国際的研究においては、今なお最重要であるアーサー・ウェイリーの英訳、これを日本語に訳し戻す試みが登場したこと。
(略)
谷崎潤一郎はウェイリー訳に閃きを得たというが、今回の「戻り訳」の訳者は、ウェイリー訳によって当時のイギリス読者の脳内に喚起されたであろう、「ヴィクトリアン・GENJI」の再現に努めていて異化効果が楽しい。漱石の英訳「I Am a Cat」を日本語に訳し戻しても、決して『我輩は猫である』に還らないという翻訳の隠れた不等号式を顕わにする。

ありがとうございました!
翻訳の不思議と面白さ、さらには戻り訳(バック・トランスレーション)の楽しさについては、『翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり』『翻訳問答2 創作のヒミツ』にたっぷりと語られます。こちらも『ウェイリー版源氏物語』とあわせてどうぞ。

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