聖教新聞にソルニット『迷うことについて』の書評が掲載されました

2019年9月28日の聖教新聞読書欄に、R・ソルニット『迷うことについて』の書評が掲載されました。
本書は、多くの著作の中でも異彩を放つ自伝的エッセー集である。ただし、身辺雑記を筆の赴くまま綴るだけのエッセーではない。エッセーの嚆矢たるモンテーニュの『エセー』がそうであったように、私生活や思い出を書きつつ、そこから歴史や自然、文明についての考察へと広がっていく哲学的な随想集なのだ。
(中略)
自伝的エッセーは、”迷子になるためのガイドブック”を意味する本書の原題が示すように、「迷うこと」にプラスの意味合いを見出すユニークな考察になっている。「まったく迷わないのは生きているとはいえないし、迷い方を知らないでいるといつか身を滅ぼす」と、著者は訴える。
何事につけ、迷う経験には得難い学びがあり、未知との出あいにこそ人生の豊かさがある──そう感得させる薫り高き一冊。
ありがとうございました。