「中央公論」に『西洋近代絵画の見方・学び方』書評掲載

 この夏刊行された木村三郎『西洋近代絵画の見方・学び方』を、美術史家・宮下規久朗さんが「中央公論」2012年1月号の「新刊この1冊」コーナーで取り上げてくださいました。

 欧米では美術史を義務教育に課している国も多く、社会人の教養として定着しているが、日本ではなぜかこの学問はずっと軽んじられてきた。

 実際には、モネの風景画にもフェルメールの風俗画にも、政治的な意味や宗教的な教訓を読み取ることができる。印象派の画家たちが繰り返し美しい田園を描いたのは、普仏戦争で打撃を受けて自身を喪失したフランス国民の愛国心からであり、モネが連作の主題として選んだ積み藁は農業国フランスの豊かさ、ルーアン大聖堂はフランスの伝統の偉大さを象徴するものであった。

 本書は、学としての美術史の基礎をきわめて丁寧に教えてくれる格好の入門書である。本書の前身は『美術理論入門』という放送大学のテキストであった。これは日本で唯一の美術史の正統的な教科書として、私は昔から学生の必読書に指定してきたが、絶版となって長らく入手困難であった。このたび求めやすい形で刊行されたのは喜ばしいことである。

 美術史を学ぶ学生だけでなく、それをより深く味わおうとする人ならだれにでもお薦めできる良書である。

とご紹介いただきました(途中略あり)。
 ぜひ多くの方の美術鑑賞のお供としていただければと思います。(T)