「週刊文春」に『静かな夜』書評掲載

 「週刊文春」2012年3月29日号に、メディア論・社会思想研究者の酒井信さんによる佐川光晴『静かな夜』の書評が掲載されています。

 佐川は屠畜場での就労経験を描いた「生活の設計」でデビューしたこともあってか、マッチョなイメージと共に語られることが多い。ただ強者の光に限界があることを知る作家だからこそ描くことができるような「弱さ、もろさが生む光」がある。

 何れの作品でも佐川が描くのは、自己の内外から訪れる不幸に苦しむ人々の悲劇ではない。自らの「弱さ、もろさ」と直面した人だからこそ、強者として強がるのではなく、互いの弱さを受け入れた上で、「必要」に根ざした繫がりを前向きに構築していけるのだ。

 「必要」に根ざした「静かな光の繫がり」をとらえる佐川の筆致は、震災後の現在に生々しく映える。

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