永江朗さんの「科学とのつきあい方を考える10冊」

 発売中の「小説トリッパー」2012年春号、永江朗さんの連載「永江堂書店」の今回のテーマは「科学とのつきあい方を考える10冊」。その1冊として、放送大学叢書012、橋本毅彦著『〈科学の発想〉をたずねて』が紹介されています。

 今回は科学についての本をまとめて読んでみた。理由はいうまでもなく原発である。

 科学ってなんなのか、科学者ってどういう人たちなのか、ちょっとわからなくなってきた。そもそも、科学が人間を幸福にしたかどうか、考えてみると怪しい気がする。

池内了『科学と人間の不協和音』(角川oneテーマ21)、グールド『紙と科学は共存できるか?』(日経BP社)、戸田山和久『「科学的思考」のレッスン』(NHK出版新書)など、科学とは何かを考える本につづけて、本書が紹介されています。

 科学史の全体を見渡せるような平易な本はないかと探していて見つけたのが橋本毅彦『〈科学の発想〉をたずねて』。放送大学のテキストであり、つまり高校卒業程度の知識があれば充分読めるように書かれている。明治政府のお雇い外国人教師、ベルツの発言や北里柴三郎の仕事から説き起こし、科学とは何か、科学史とは何かを語っていく魅力的な本だ。

 本書は、ギリシアの自然哲学から、中国の科学、ニュートンの発見などに触れながら、今日のきわめて巨大なプロジェクトと化した科学の実体まで、縦書きで読める科学史です。巻末にはさらに踏み込んで学ぶための参考文献リスト付。
 そもそも科学とは何か、その問いを深めるための入口の1冊におススメです。(T)