俵万智さんが『春の先の春へ』を紹介

 発売中の「週刊現代」2012年4月7日号のリレー読書日記で、俵万智さんが古川日出男+宮澤賢治『春の先の春へ』を取り上げています。「「正しさ」への同調圧力を案じ、宮澤賢治の深い言葉を味わう。大震災から1年後に読んだ本。」という見出しが付けられています。

 そうだ宮澤賢治がいた、と思った。震災を契機に書かれたものだけが、震災を語っているわけではない。賢治の視線には、宇宙から、あるいは未来から東北を見ているようなところがある。今その言葉を味わうことは、深い意味を持つと感じた。

 穏やかでありながら鬼気迫る朗読。私には「青森挽歌」が一番沁みてきた。妹とし子の死を契機に書かれたものだが、その個人の体験を超えて、生々しくも壮大なスケールの挽歌になっている。あの震災でなくなった一人一人は、何万というような数で括られることなく、このように心ひきさかれる見送りをされなくてはならないはずだ。

 また、古川日出男さんの「新潮」4月号のアンケートより、宮澤賢治の作品は「一次産業の刻印がある」と断じられるものの一つだ、ということばも紹介しています。
 俵万智さんは他に、高橋源一郎『「あの日」からぼくが考えている「正しさ」について』、アラン・ドラモンド『風の島へようこそ くりかえしつかえるエネルギー』の2冊を取り上げています。