「週刊読書人」に『静かな夜』評

 「週刊読書人」2012年4月13日号に、文芸評論家・黒古一夫さんによる『静かな夜 佐川光晴作品集』の書評が掲載されています。

 書評ではデビュー作『生活の設計』以来の、「愚直に「現代において家族とは何か」を追い求めてきた」歩みを、表面は近代化を成し遂げたにせよ、その内部に「封建遺制(儒教道徳)」を色濃く残している日本社会にあって、家族・個の自立という主題は、「古くて新しい「普遍的」な文学的主題に他ならない」と位置づけます。
 そうして収録作品を紹介、表題作「静かな夜」について、

 この最後に危機的な状態から登場人物が再生し立ち直ってくるという作品構造は、陰々滅々としか言いようがない状況を強いてくる酷薄な現代に対するささやかな異議申し立て=抵抗、あるいは「祈り」のようなものがそこに秘められているからである。(略)読者はこの作家の作品を読んでいる間、ずっと作品中の自分と同じような「庶民」である主人公がどこへ行くのだろうかとはらはらしながら、最後に主人公が「立ち直る=救われる」ことでほっとし、また同時に「励まされる」ということである。

と評していただきました。

 ありがとうございました。