月刊「望星」に『ジァンジァン狂宴』の書評が掲載されています

月刊誌「望星」の2013年7月号に、ピアニスト・下山静香さんによる高嶋進『ジァンジァン狂宴』の書評が掲載されています。
渋谷ジァンジァン。この名前に、熱いノスタルジーを感じる人は少なくないだろう。一九六九年、渋谷公園通りの教会地下に誕生したジァンジァンは、三十年の長きにわたり文化発信の最前線であり続けた、伝説の小劇場である。立ち見客を押しこんでも二百人がギリギリ、演者と客とが近く接するこのスペースは、表現者にとって、本当にやりたいことをぶつけられる実験の場であり、観客にとっても、「ここに行けば何かに出会える」刺激的な聖地だった。
(中略)
一見、なんでもありの公演内容だが、小家主にはぶれない芯があった。それは、「体制側の権力に取り込まれ慣らされる社会に向かって開かれた空間」を、という創設当初の決意であり、商業主義に対する頑なともいえる抵抗である。ジァンジァンを生み出したのは、気概ある個人が時代に対して抱いた「ズレ」の感覚。彼にとってジァンジァンとは、社会改革の闘いだったのだ。
(中略)
ジァンジァンの消滅を、旧時代の終焉と片付けてしまってよいのか。
ご紹介ありがとうございます。著者自身も描き出しきれず、観客だった方々にも語り切れていない幾多の伝説が、この小劇場のまわりにはまだまだありそうです。