『波』11月号に『スワンプランディア!』をご紹介いただきました

2013年11月号『波』(新潮社)の「サイン、コサイン、偏愛レビュー」のコーナーにて『スワンプランディア!』をご紹介いただきました。評者は瀧井朝世さん。
以下に紹介文を抜粋させていただきます。

エーヴァの一人称のパートと、キーウィの三人称のそれで物語は進む。エーヴァの目を通した世界は、姉と幽霊との交流はオカルティック、船の旅で見かける湖沼地帯の光景は異世界のよう。一方のキーウィは〈暗黒の世界〉で働き始めたものの、賃金が安くかえって借金を背負ってしまう。つまりはダークファンタジー風な旅とプロレタリア的日常という、対照的な世界が交互に描かれていくのだ。

(中略)

これはある家族が、それまでの生活と決別する物語でもある。そこにあるのは惜別の情と諦念と不安と、ほんのちょっぴりの希望。痛みを伴う成長ではあるが、彼らは絶望しているわけじゃない。その強さが、押し付けがましくなくそっと描かれていて、じめじめした湖沼地方の話ながらさわやかな風を感じた…と書くと「励まされる再生の物語」風なイメージで片付けられてしまいそうだが、なにより子どもたちの冒険がユニークで読ませるところが最大の魅力。

瀧井さん、ありがとうございました!