石川九楊展
 
 先日、石川九楊展「ちひさな物語」(神保町・ギャラリー白い点)を見てきました。
 石川先生は、現在、10月の大個展「源氏物語全五十四帖」を制作中です。読むことですから大変なのに、書で表現するとどうなるのでしょうか。そして左右社では、書字にも文法があるという視点から、主語や述語、形容詞という項目ごとに書字を解説した石川先生の本を編集中です。思わずうなってしまう指摘がまんさい、これまでにない本です。
 石川先生の個展は、小さなものを含めてこの十数年、すべて見ています。紙全体に墨が大きく滲み渡っていくような、紙という対象にゆだねていく時間を楽しむかのような不思議な作品も近年見られ目が離せません。
 これは石川先生もつねづね言っていることですが、千年紀にあたる『源氏物語』は、ひらがな=女手の観点から見直されるべきだということに強く共感します。昔の丸文字にしろ、最近のケータイの絵文字にしろ、日本語の書字のデザインをしてきたのは、つまりは文化を規定してきたのはつねに女性で、その水源が『源氏物語』と考えと、とたんに身近になります。
 
 
 
 
2008年4月30日水曜日