フォント(コンピュータ上の文字)の前は写植(写真植字)で、その前は一字一字が金属や木で出来ていた活字。その活字による印刷が活版印刷。鈴木さんの講義は、源氏物語などを印刷していた、江戸時代の豪華活版印刷本、嵯峨本から始まります。
そこで登場するのは角倉素庵や本阿弥光悦といった当時の文化人。鈴木さんはその情景を浮かび上がらせながら、嵯峨本の組版を推定していくのですが、その中で活字のイメージをがらりと変える指摘をします。
活字というと、同じものを作る、複製を大量に作るために使われていたという思いがちですが、一冊一冊がちがうオリジナルを作るための道具でもあった、というのです。フォントの時代になっても、文字と本の関係を考える上で、とても考えさせれる講義です。