第21回 リオ妄想日記3 訃 報


 コパカバーナ海岸沿いのホテルで深夜2時、目が覚めた。
 再び眠れずにバルコニーを空け、ビールを飲みながら夜景を見ていたら、東京からEメールで、死の知らせがもたらされた。
 ジャーナリストは反革命だと信じて疑わなかった17歳のとき、偶然、この人の書いた週刊誌の記事を面白いと思った。「へぇー、事実の宅急便(そんな仕事は当時、なかったけれど)だけじゃないんだ」と感心したのだった。言葉が情報を伝える道具ではなく、むしろ目的だった。平たく言おう、そう、筆が滑りまくって、書いていること自体が面白そうに書いている、のだった。
 昨年12月25日のクリスマスの午後、彼を病院に見舞った。
 「もう抗ガン剤治療はやめる」と言っていたので、遅かれ早かれ、このときが来るとは思っていた。

三沢順(みさわ・じゅん)