オンとオフの真ん真ん中

第180回 富山治夫の死、映画「築地ワンダーランド」、「安岡章太郎展―<私>から<歴史>へ」、すし屋「八左ェ門」、山田洋次作の落語「真二つ」

×月×日 写真家の富山治夫さんが亡くなった。富山さんは昭和10年北区に生まれたが、父親は半年前に亡くなった。王子中学を卒業するとすぐ織物関係の町工場で働き始める。同学年の仲間から5年遅れて都立小石川高校の定時制に入学した。同じ時期、昼間の全 …

第179回 『オライオン飛行』(高樹のぶ子)、フランス料理「ラブレー」、『文明開化がやって来たーチョビ助とめぐる明治新聞挿絵』(林丈二)、『ごはんの時間―井上ひさしがいた風景』(井上都)

×月×日 高樹のぶ子さんの新刊『オライオン飛行』(講談社)を読む。  1936年にフランスからアンドレ・ジャピーという飛行家が単独日本を目指して、飛んできた。大空への夢を抱いたサン・テグジュペリやリンドバーグと並ぶ、当時の大冒険飛行家だ。香 …

第178回 「膝突き」とは、松井今朝子の『料理通異聞』、淳ちゃん先生のこと(承前・その10)

×月×日 有楽町マリオンの「朝日ホール」で朝日名人会。桂宮治「強情灸(ごうじょうきゅう)」、入船亭扇辰「田能久(たのきゅう)」、古今亭志ん輔「お直し」、春風亭一朝「稽古屋」、柳亭市馬「不動坊」。  志ん輔は古今亭志ん朝の一番弟子だが、どうも …

第177回 「三三づくし」の会、キャビアと河豚とワイン、淳ちゃん先生のこと(承前・その9)

×月×日 横浜にぎわい座で、毎月恒例の柳家三三「三三づくし」の会。前座の「開口一番」も無く、端から三三が登場して、「かぼちゃ屋」、「蜘蛛駕籠(くもかご)」、「木乃伊(ミイラ)取り」の三席を演じる。  「最近の高座は、携帯電話との戦い」としゃ …

第176回 川西政明さん逝く、アンソロジー『〆切本』、淳ちゃん先生のこと(承前・その8)

×月×日 文芸評論家の川西政明さんが亡くなった。髙橋和巳や埴谷雄髙、武田泰淳の評伝で知られる。あまり表には出ないが、河出書房新社の編集者時代に渡辺淳一さんを発掘した功績を忘れてはならない。上司には著名な編集者、坂本一亀(音楽家坂本龍一氏の父 …