第6回 意外とぴったり!? パンクロックと朗読

野村静迦さん
クラフトワーカー。都内在住。
先日の朗読ダイエットコンテスト(マキノ出版主催)で、宮沢賢治の詩を気迫たっぷりに披露した野村さんにお話を伺ってきました。
* * *

—野村さんが朗読ダイエットを始められた経緯はどういったものでしょうか。
 まず、痩せたかったからです。マキノ出版のメールマガジンに、朗読ダイエットコンテストの参加者募集の記事が載っていて、「やってみたいな」と思いました。もともとダイエットに興味はあったものの、「○○ダイエット」と名前が付くようなものはやらず、「自分の代謝量よりも摂取カロリーが低ければ太らないだろう」というものすごく当たり前な考えに沿って、食べた分だけ運動するなど自分なりにダイエットをしていました。

—朗読ダイエットに惹かれたのはなぜでしょう?
 本が好きだったからです。好きな本を読みながら痩せられるなら一石二鳥だな、と。だけど、本とダイエットの繋がりはすぐにはピンときませんでした。その意外なミスマッチに惹かれたのかもしれません。
9月中旬に始めて、一日に約30分の朗読を2週間くらい続けました。
 読んだ本は宮沢賢治の『新編 宮沢賢治詩集 天沢退二郎 編』(新潮社)です。朗読ダイエットコンテストの主催者の方から本を3冊渡されて、そのうちの一冊がそれでした。
 実は宮沢賢治には興味がなかったのですが、パラパラと本をめくってみると、宮沢賢治のイメージを覆す強烈な詩がいっぱいで……賢治の頭の中ってどうなっているんだろう? って思ったんです(笑)。一気に興味が沸き、読むことに決めました。「眼にて云ふ」(P.319)「[丁丁丁丁丁]」(P.322)「ある恋」(P.383)を選びました。

写真 3写真 1

 

 

 

 

—言葉の語感がユニークで、朗読に向いていそうですね。コンテストの時は、迫力がありました。
 特に「[丁丁丁丁丁]」はわけがわからないけれどパンクなイメージを抱きまして、カラオケに行って「セックス・ピストルズ(※)」のパンクロック音楽を流しながら、詩を朗読しました。見事にマッチしていましたよ(笑)。スッキリするのでおすすめです!

—パンク音楽ですか! 面白いですね。体調や、精神面には変化が見られましたか?
 体調は、お通じがよくなったのと、体重もゆるやかに減っていきました。以前は、前日の夜に食べ過ぎると200グラムくらいは増えていたのですが、いまは夜遅くにご飯を食べても翌朝体重が増えたりはしなくなりました。明らかに代謝がよくなっています。
精神的には…「眼にて云ふ」の詩を読んでから、登場する男性に感情移入していき、よく空を見上げるようになりました。ある時上を見上げたらあまりにも澄み切った青空で、それが詩からイメージしていた空とピッタリ重なったんです。「いま、賢治とシンクロしているんだな」と感じました。

—朗読ダイエットをして、難しい部分、面白い部分はどこでしょうか?
 難しいのは、「ドッグブレス」などの呼吸法は、最初はなかなか難しいですし、続けていないとすぐにできなくなるので大変かな…。
朗読の前にストレッチをすると、呼吸がしやすくなるんです。続けているとだんだん声がよく出るようになって、単純に気持ちがいいし、なおかつ楽しい。

—野村さんは、コンテストに参加されて、ドリアンさんの朗読を実際お聞きになっていかがでしたか?
 すごく、深い声だなと思いました。とても説得力がある。ドリアンさんの「叫ぶ詩人の会」の頃も知っているのですが、改めてすごいなと感じました。
写真 2

—振り返ってみて、朗読ダイエットについてどんな印象をお持ちでしょうか?
 今まで、「本を読む」ということと「ダイエット」の繋がりを持つことなく両方をしてきたのですが、今回で繋がりを持ったので、改めて「読むこと」「ダイエット」に意味が加わったと思います。
昔読んだ本でも、改めて読むと捉え方が違うことってありますよね。そういう風に、ダイエットの要素もプラスしていけたらいいなと思います。

 

※1970年代に活躍したイギリスのパンク・ロック・バンド。
野村静迦(のむら・しずか)
池袋在住。フリーのクラフトワーカーとして、アクセサリー作りやアート書道などを手がける。
「三島由紀夫が好きなのですが、三島で朗読はちょっと合わない気がします……。三島の戯曲はまだ読んでいないので、戯曲でチャレンジしてみようかな?」