第7回 読むことは愛おしい! 人生、楽しくなってきました。

伊藤聖子さん
塾講師、年賀状教室講師。川柳の会「かもめ舎」会員。
昨年10月に行われた朗読ダイエットコンテストの優勝者に、お話を伺ってきました。朗読の楽しみはどんなところにあるのでしょうか。
* * *

ー運動はお好きですか。
 運動は剣道を小学校で1年間習っていたくらいです。心臓に持病があることがわかってからは、マラソンや競泳はドクターストップがかかりましたので、ヨガやストレッチを中心に行っています。

ー太っているようには見えませんが…。
 いいえ、生まれつき太っていました。それも4,000グラム超えの巨大児!
生まれつき太っている子は大人になってからも太りやすいんだそうですよ。
太りだしたのは中学校から。中学校で見知らぬ人たちの中に入っていく時に、新しい自分を見出そうと自発的に太ってみることにしたんです。ポッキーばっかり食べましたね。
 さいわい女子校だったので男性の目線を気にすることもなく順調にむくむく太り続けてしまいました(笑)。
さすがに大学入学の頃になって「人目を気にしなくちゃ!」と慌て、そこから私のダイエッター人生は始まります。

ー最近ではどんなダイエットをされましたか。
 2年前に、薬の副作用もあり20キロ太り、70キロになってしまいました。
このまま80キロ、90キロ…と増え続けのも「それはそれで面白いかな」と思ったのですが、いやいや落ち着こう、と思いとどまりました。
 スポーツクラブに通い続け、マシーントレーニングに水中ウォーキング、朝から晩までがんばったのに痩せないんです。それでもあまり気にしてはいませんでした。思えば、洋服が9号から13号に総入れ替えしたときにマズイと気付くべきでしたが、「最近は太っても可愛い服が着られるのね~」なんて、お気楽に考えていました。
 ところが忘れもしない2012年1月15日。川柳の句会で写真を撮られ、焼き増しして配られたんです。太った自分を見て絶望しました。なんて醜いんだろう、と。絶対にやせてやると奮起しました。

5—決意は固かったのですね!
 健康食品ダイエットで凄く痩せた友達がいたので、私もはじめてみました。ハーブティーを飲むのですが、さきほどの「憎しみの写真」の強迫観念に駆られ、いちにち4リットルも飲んでいました。案の定具合が悪くなり、苦しんでいるうち、具合悪さで痩せていきました…。
 そのダイエットは1日3食のうち1食は好きなものを食べ、2食はハーブティーだけ飲むというものでした。とにかく辛かったですが3カ月続けてなんとか10キロ減量しました。
 痩せた記念に児童クラブで働きはじめたのですが、今度は背中がどうしようもなく痛くなってきました。健康的ではない痩せ方が良くなかったのかもしれません。

—背中の痛みはどう落ち着いていったのでしょう。
 雑誌「ゆほびか」のメールマガジンで募集していた朗読ダイエット大会に参加したことがきっかけです。会場でドリアンさんに教えていただきながら、ストレッチをすると、とても痛みを感じました。ですが、「倒れてもいいからがんばろう」と覚悟を決めると、意外なほど体は楽になりました。今まで「もう動けない」と思い込んでいたものが、「あ、まだ動けるんだ私!」と発見できたことが嬉しい。ストレッチを続けるうち痛みが減っていきました。声を出すこととストレッチの組み合わせがよかったのだと思います。

ー朗読ダイエットは具体的にどう実践しましたか。
 巻末ふろくの外郎売を拡大コピーして朗読しました。中学の演劇部時代に一生やらないと遠ざけた「外郎売」にここでまた出会ってしまい、運命かと諦めて読みました。詩の朗読を一日30分は死守し、発声練習も毎日しましたよ。コンテストに出るからには勝ちたいですから!

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ー朗読ダイエットを楽しんでらっしゃるようですね。
 たくさんの辛いダイエットを経験してきたので、それに比べたら楽勝です(笑)。「体に無理をかけないでおこう」というのはおじいちゃんおばあちゃんの世代。まだ40代前半ですから、少しは無理してでも色々チャレンジしたいと思うようになりました。朗読ダイエットがなかったら、まだ家で寝ていたかもしれません。

ー体調の変化はありましたか。
 朗読ダイエットを始めてから、食べてもお腹がぽっこりでなくなりました。発声練習をしていると、お腹がすごく空きますが、そのあと食べるのを我慢すると体重が減りました。喋ることって体力を使うんですね。体重は2キロ、ウェストは4センチの減量成功です。

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ーいままでのダイエットと朗読ダイエットの違いはどんなところでしょうか。
 朗読ダイエットをしていると友達に言うと、呼吸法ダイエットとどう違うのか聞かれることがありますが、全然違います。朗読は心が鍛えられるんです! 『朗読ダイエット』の本文中に、感動して書きだした文章がたくさんあります。一般のダイエット本は味気ない文章が多いですが、『朗読ダイエット』は詩人のドリアンさんが書いたダイエット本だからこそ文学的な言葉を味わいながら読める本だと思います。優勝までさせてもらってありがたいことです。

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ー具体的にどんな言葉が心に残っていますか。
 立って読むことの大切さを説明した文章の、「私は大地に対し、体を貸しているだけだ。大地が語りたいから語っている」という言葉です。謙虚だと思いました。「時代の転換期でなにをしたらいいかわからなくなっている今こそ、朗読を通じて文化的に豊かな日々を手に入れよう」という言葉も印象的です。

ー朗読ダイエットをやってみていかがでしたか?
 実は…朗読大会でドリアンさんに褒めていただいたことがうれしくて、朗読ボランティアに応募しました。
 大学生のころ英語のスピーチ大会に出たことがあり、最近そのテープを聞き返しました。一生懸命、つまづきながらも英語を話す自分の声がなんだか愛おしく思えたんです。こういうふうに日本語も大事に話すことができたらいいな、思うようになりました。朗読ダイエットを始めてからどんどん生活が楽しくなってきましたよ!


伊藤聖子(いとう・さとこ)「お菓子大好き! コンテストという目的があったからがんばったけれど続けるのは大変です…。体操とドッグブレスだけはやっています。やらないと調子が悪い気がします。」