三つまみめ ロンドンの人種

 
今回は、ロンドンの人種の多さに圧倒されたマツモトさんの外遊記です。
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ロンドンの人種
 イギリスというと白人のイメージがどうしても湧いてしまうが、ここには色々な肌の色の人がいる。そのお陰で私自身、チューブと呼ばれる地下鉄に乗っていても落ち着いていられるから嬉しい、といったらおかしいだろうか。

 さて、まずロンドンのスーパーマーケットの話から始めたいと思う。
 ロンドンでは、買い物袋のリスの絵がかわいいセインズベリー、トリコロールでマークを作ったテスコ、冷凍食品を扱っているわりには看板が真っ赤でイメージに合わないアイスランド、ポッシュ(お金持ち)な客層のウェイトローズ、そして独自ブランドのお菓子がおいしいM&S(マークスアンドスペンサー)が主要なスーパーマーケットである。
 中でもテスコは最も多様性に富んだスーパーだと推測する。なぜなら、“テスコ・メトロ”、“テスコ・〜”、“テスコ・〜〜”と、色々な種類があるからだ。それらの違いといえば、大きさだろうか。かく言う私も詳しくは知らない。ちなみにフランチャイズだそうである。

 スーパーに入ってまず気付くのは、店員にヨーロッパ系コーカソイド人種が少ない事である。大体目に入るのは、インド系、ヒスパニック系の人たちで、いずれも中年以上だ。白人好きの友人が「かっこいい店員がいる」といって騒いでいたので中には白人の若い男性もいるようだが、私はそのような人をいまだ見たことがない。高いとの噂でまだ行ったことがないウェイトローズにはいるのかもしれない。
 
街を歩いていても観光客がそこかしこにいるので、英語以外の言語、スペイン語、中国語、韓国語、フランス語などが耳に入ってくる。
 
そういうわけで、私たちのイメージするいかにも“イギリス人”という人に出会うことは普段の生活では殆ど稀である。
 あまりにも多様な人種が違和感なく街にいるため、アジア人でイギリスに来て1カ月程の私でさえ、美容院のカットの練習に店に来てくれないか、この駅へはどう行けばいいか、と聞かれる始末である。そのおかげで英語の練習になっているのだが。

 さらに、欧州連合に加入している国の中には、自国の財政危機で、職を求めてイギリスに来ている人もいる。私の友人もそのうちの一人だ。愛煙家である彼女はイギリスでは高いタバコを母国から何カートンも持ってきて生活を節制し、職探しをしている。面接を複数受けているが、続けて雇ってもらえるかは確定しておらず、おまけに言葉もままならないので本当に大変そうだ。
 中国人の友人は家族経営のレストランをイギリスに2軒持っており、永住するだろうと言っていた。私からしてみればとても羨ましい話だが…それはさておき、イギリスにおける人種の多様性はこれからも加速してくにちがいない。その対策としての政策が強化されているのも事実である。
 
国の雇用や財政、格差などの難しい話はともかく、永遠にないであろうことはよくよく解っていながらも、イギリス国内ですべての血統が混ざって人種が解らなくなるまでどのくらいの年月がかかるのか気になる所である。

20130604_121357文・松本麻美