「連詩 見えない波α」について

国境をこえて日本の東日本大震災を語りあうプロジェクト「見えない波」。二〇一四年、小説家の古川日出男さんと詩人の管啓次郎さん、そして石田瑞穂はともにフランスとイギリスを旅して、講演や朗読をおこないました。さらに旅はスロヴェニア、クロアチアへとつづきます。

震災から五年がたとうとしている二〇一六年冬。「見えない波」の第二波が「連詩」として再始動します。

連詩のコアメンバーは注目の若手詩人、暁方ミセイさん。詩人、比較文学者、翻訳家としてつねに複数のボーダーを横断しつづける管啓次郎さん。そして、詩人の石田瑞穂。三人の詩人たちがプロジェクトを受け継ぎ、東北はもとより毎月さまざまなジャンルからひろくゲストを招いて、東日本と世界を連詩でつなげてゆきます。

ひとつの言葉がつぎに来る言葉を、ひとつのリズムがつぎに来るリズムを。ひとりの詩人の詩想が複数の詩人の詩想となって波を打ち寄せ、想定外のうねりを生む。連詩という、言葉の波濤として。海の波が、悠久の時間のなかで、いちどもやまなかったように。

いまの東北、日本という国、ぼくらの生を読者のみなさんとともに詩の言葉であらためて発見し、そこから生まれる新たな考え方や生命の波動を感じられたら、うれしいです。

東北で生まれ世界の岸辺を洗うポエジーの波が、あなたに贈り届けられることを願って。

 

「連詩 見えない波α」ディレクター 石田瑞穂

 

〈ルール〉
1、連詩は各詩人が一回につき、第一連が一行、第二連が二行、第三連が三行、第四連が四行、第五連が五行で構成される、一篇が計十五行の詩を書く。
2、前回の詩の第五連から、かならず一語を引用して、第一連を書く。


 
管啓次郎(すが・けいじろう)
詩人、比較文学者。この数年はバルカン半島との縁が深い。エッセー集に『斜線の旅』(インスクリプト、第62回読売文学賞)、詩集に『Agend’Ars』4部作(左右社)、『数と夕方』など。

暁方ミセイ(あけがた・みせい)
詩人。横浜の北部、田園と新興住宅地の狭間育ち。既刊詩集に『ウイルスちゃん』(思潮社、第17回中原中也賞受賞)、『ブルーサンダー』(思潮社)など。詩作の他に、エッセイの執筆や朗読活動も行っている。

石田瑞穂(いしだ・みずほ)
詩人。見沼の田園、東京、ブールジュをゆききする。最新詩集に『耳の笹舟』(思潮社、第54回藤村記念歴程賞受賞)。詩人のデジタルアーカイブ・プロジェクト、獨協大学「LUNCH POEMS@DOKKYO」ディレクターもつとめている。公式ホームページ「Mizuho’s Perch」。

3名に大崎清香を加えた共同詩集に、『連詩 地形と気象』(左右社)がある。