#3

 
 
 
草木成仏が伸びきってちくちくする
 
 
 
波の切っ先でヒグマの爪が
 
凪を引っ裂きわくわくする
 
 
 
おれら一晩中ダンスでお出迎えだから
 
やたら八咫烏もカムイもマジ歓迎だから
 
それが波のヒップホップのからだ
 
 
 
おれら ウェンカムイ
 
人を殺す神になっちゃいけない
 
千年の河で茶きっとイケてるし
 
河童よりもっと酒盗むじゅんさい
 
 
 
紀元前のハニー
 
月潭底を穿って水に痕なし
 
猿探偵去ってごちそうだし
 
毛むくじゃらな世界よ境でたちあがれ
 
むちゃくちゃ無垢な私を食べてくれ
 
 
(石田瑞穂)
管啓次郎(すが・けいじろう)
詩人、比較文学者。この数年はバルカン半島との縁が深い。エッセー集に『斜線の旅』(インスクリプト、第62回読売文学賞)、詩集に『Agend’Ars』4部作(左右社)、『数と夕方』など。

暁方ミセイ(あけがた・みせい)
詩人。横浜の北部、田園と新興住宅地の狭間育ち。既刊詩集に『ウイルスちゃん』(思潮社、第17回中原中也賞受賞)、『ブルーサンダー』(思潮社)など。詩作の他に、エッセイの執筆や朗読活動も行っている。

石田瑞穂(いしだ・みずほ)
詩人。見沼の田園、東京、ブールジュをゆききする。最新詩集に『耳の笹舟』(思潮社、第54回藤村記念歴程賞受賞)。詩人のデジタルアーカイブ・プロジェクト、獨協大学「LUNCH POEMS@DOKKYO」ディレクターもつとめている。公式ホームページ「Mizuho’s Perch」。

3名に大崎清香を加えた共同詩集に、『連詩 地形と気象』(左右社)がある。