#36

Sub 静かなところがあるでしょう()



Cells(2, 3) = “新しい細胞たちが”

Cells(3, 4) = “白い静けさに包まれて震えている”



h = “発酵する、” ‘なんていじらしい分解の営み

Range(“B5:F22”) = h ‘とくんとくんと自らの範囲を広げながら

Cells(10, 8) = “こころ” ‘で触れ合い溶け合おうとしている



i = 4 ‘蝕まれることのみを恐れ続けるべきなのだろうか?

Do While i < 21 '争いを設定されながらこの世紀まで生存してきた必然

Cells(i, 2 + i) = “いのちたち” ‘いつまで存続できる偶然

i = i + 1 ‘試行錯誤しながら、演算し続けるんだね



Range(“H14:H100”) = “光” ‘の指し示す力を手探りしながら

Loop ‘長い長い輪廻を約束し続けてきた

Range(“E25:E100”) = “人々が祈っている、その光景には”

Range(“E88”).Value = StrReverse(Range(“E88”).Value) ‘その清浄な祈りの姿には

End Sub ‘静かなところがあるでしょう


 (及川俊哉)
管啓次郎(すが・けいじろう)
詩人、比較文学者。この数年はバルカン半島との縁が深い。エッセー集に『斜線の旅』(インスクリプト、第62回読売文学賞)、詩集に『Agend’Ars』4部作(左右社)、『数と夕方』など。

暁方ミセイ(あけがた・みせい)
詩人。横浜の北部、田園と新興住宅地の狭間育ち。既刊詩集に『ウイルスちゃん』(思潮社、第17回中原中也賞受賞)、『ブルーサンダー』(思潮社)など。詩作の他に、エッセイの執筆や朗読活動も行っている。

石田瑞穂(いしだ・みずほ)
詩人。見沼の田園、東京、ブールジュをゆききする。最新詩集に『耳の笹舟』(思潮社、第54回藤村記念歴程賞受賞)。詩人のデジタルアーカイブ・プロジェクト、獨協大学「LUNCH POEMS@DOKKYO」ディレクターもつとめている。公式ホームページ「Mizuho’s Perch」。

3名に大崎清香を加えた共同詩集に、『連詩 地形と気象』(左右社)がある。