建築を愛する人の十三章


  • 著者:香山壽夫
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体1700円+税
  • B6判並製/256ページ
  • 2021年10月29日 第一刷発行
  • 9784865280432 C0352
建築は、私たちをひとつにしてくれる
家族を支える「大黒柱」、目は心の「窓」、
私たちを守り、ひとつに包む「壁」、「門」は招き誘い、また拒む──。
私たちが住み、ともに暮らす空間=建築とはなんだろうか。
劇場や学校、公共施設を中心に第一線で活躍し続ける建築家・香山壽夫が、
建築を愛するすべての人にわかりやすく語りかける建築の真髄。
新たな章を増補した新装版登場【10月末刊行】



 十二の章にわたって、建築の面白さ、大切さについて考えてくると、改めて、ひとつのことに気付く。それは、建築が、私達のいつも話したり、書いたりしている言語と同じく、私達の毎日の生活の中で、自分の気持ちを表わしたり、それを互に確かめあったりするはたらきをしているということだ。すなわち、建築のかたちというものが、人間の用いる様々な言葉のひとつである、というあたり前のことに気が付くのである。
この本の最初の章で、私は「建築は、いつも静かに、黙している」と書いた。建築は確かに、私達が普通に用いている言葉と同じ言葉で語っているわけではない。絵画や音楽と同じ言葉を用いているわけでもない。しかし、建築は建築独自の言葉を持っている。その独自の言葉で、建築は語りかけている。私達を、ひとつにつなぐ、大切な言葉で、語りかけている。そのことをこの章で、考えてみたい。(第十三章「建築は語りかける」より)
❖目次
第一章 建築はいつも私達と共にある
第二章 空間は私を包む
第三章 大地に根ざして立つ
第四章 大空の下に立つ
第五章 門は招き、あるいは拒む
第六章 窓は建築の目
第七章 空間には中心がある
第八章 支える柱
第九章 囲む壁
第十章 空間をつくる光
第十一章 自然と人工
第十二章 建築を見る楽しさ、作る喜び
第十三章 建築は語りかける
私の作品
旧版あとがき
あとがき
香山壽夫(こうやま・ひさお)
建築家。1937年、東京都生まれ。東京大学名誉教授、香山建築研究所会長、アメリカ建築家協会名誉会員。主な受賞に日本建築協会作品賞、村野藤吾建築賞、日本減築学会大賞、アメリカ劇場協会賞、日本芸術院賞など。主な作品に、彩の国さいたま芸術劇場、東京大学工学部一号館改修、聖学院大学礼拝堂、函館トラピスチヌ・旅人の聖堂、東京大学伊藤国際学術研究センター、ロームシアター京都などがある。