葬いとカメラ

  • 編著:金セッピョル・地主麻衣子
  • 装幀:牧寿次郎
  • 定価:本体1800円+税
  • 四六判変型並製/200ページ
  • 2021年5月30日 初版第一刷刊行
  • 978-4-86528-031-9


アーティストと文化人類学者らが考えた「葬い」を記録することについて。
両者の視点から「死」と「葬い」を見つめた先に見えてきたものは……


身寄りがなくなり、壊される無縁仏
自然葬をすることにした家族の葛藤
葬儀を撮ることの暴力性
在日コリアンのお墓
研究映像とアート作品
簡素化される葬儀と、葬いの個人化

誰もが直面する「死」と、残された者の「葬い」という営みを、どのようにとらえることができるのだろうか。
本書では主に映像によって記録するという行為を通じて、死や葬いを普遍的にとらえなおすことを試みるものである。

ニニフニ 南方熊楠と土宜法龍の複数論理思考

  • 著者:小田龍哉
  • 装画:佐藤直樹
    装幀:アジール(佐藤直樹+菊地昌隆)
  • 定価:本体4500円+税
  • 四六判上製/384ページ
  • 2021年4月12日 第一刷発行
  • 978-4-86528-019-7 C1010

中沢新一氏推薦帯!「かつてない打楽器的熊楠論が登場した」
ニニフニとは、「一」ではあるが「一」ではなく、「二」でもあるが「二」ではない、そんな領域について考えるための言葉である。「日本人の可能性の極限」と評された熊楠と、その盟友法龍。彼らの構想したもう一つの近代が、新たな熊楠像と共に浮かび上がる。

増補 自己を見つめる

  • 著者:渡邊二郎
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体1800円+税
  • B6判並製/328ページ
  • 2021年4月10日 第一刷発行
  • 978-4-86528-025-8 C0310

この本を読んで、もう一度前向きに生きようと思った。

ニーチェやハイデッガーらのことばをまじえ、
崩れ落ちそうになる気持ちを支え引き締めてくれる静かなロングセラー。
多くの熱心な聴講生を集めた伝説の講義から生まれた名著に、
著者が愛読してやまなかったふたりの哲学者への追悼を込めた2篇を増補した新装版。

精神疾患とは何だろうか

  • 著者:石丸昌彦
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体2200円+税
  • B6並製/320ページ
  • 2021年2月28日 第1刷発行
  • 978-4-86528-018-0

豊富な臨床経験から、誰もが罹りうる心の病の基礎知識を学ぶ


うつ病患者100万人を筆頭に、いま、精神疾患による患者数は400万人を超えている。
病状や対処法の情報が溢れている一方で、私たちはどこまで〈心の病〉のことを知っているのだろうか。
うつ病患者はなぜこんなにも増えたのか、統合失調症は治すことができるのか、依存症を断ち切る薬はないのだろうか。
現代精神医学の最新の知見を、臨床経験を踏まえた症例とともにわかりやすく説く一冊

ハンズ 手の精神史

  • 著者:ダリアン・リーダー
    訳者:松本卓也・牧瀬英幹
  • 装幀:佐野裕哉
  • 定価:本体2200円+税
  • 四六判変型上製/240ページ
  • 2020年11月12日 第一刷発行
  • 978-4-86528-295-5

ラカン派気鋭の研究者が描く、手をめぐる文化・精神の歴史

アダム・スミスの「神の見えざる手」からディズニー映画「アナと雪の女王」まで、人間の歴史を「手を使って行うことの変化」として読み直す。文化や歴史、心理学や精神分析の理論を横断しながら、自分自身や他者との関係、現代に潜む病理を、ユーモアを交えつつ鋭く描き出していく。


・ヒトラーや毛沢東の繊細な手仕事
・手から離れていったフロイト、手へと回帰したラカン
・私たちの手を支配するiPhone
・ゾンビが手を前に突き出して歩いているのはなぜか
・手と自立依存症との関係
・エイリアンハンド
・手と口の病的な結びつき
・キングコングの大きな手
・アドベンチャー映画に見られる崖からぶら下がるシーンの意味
・手放すことは掴むことより難しい
・手を暇にさせておくと悪魔が取り憑くという言い伝え

評伝フィリップ・ジョンソン 20世紀建築の黒幕

  • 著者:マーク・ラムスター
    訳者:松井健太
    監訳:横手義洋
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
    カバー写真:Roberto Schezen / Esto
  • 定価:本体6300円+税
  • A5判上製/608ページ
  • 2020年10月30日 初版第一刷発行
  • 978-4-86528-294-8

今日の建築の姿を決定づけた知られざる黒幕の生涯を描き出す傑作評伝

MoMAの初代キュレーターに就任、世界的な潮流となった建築展を仕掛けた男。
アメリカのヒトラーにならんとした男。
現代美術と建築の世界で知性とカネの力をふるった男。
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞をはじめて受賞した男。
ミースへの憧れとコンプレックスに引き裂かれていた男。
ドナルド・トランプと協働しアメリカの都市風景を変えた男。

いまだ見学者の途絶えないモダニズム建築のアイコン〈ガラスの家〉の設計者であるフィリップ・ジョンソン。数えきれない称賛の一方で、非難も多い。いわく、建築をデザインの遊びに貶めた、権力に心酔するファシスト、気まぐれな金持ち仲間のお遊び……。
アメリカで最も憎まれ、最も愛された男の規格外で行方しらずの情熱を描く一冊!

ホロコーストから届く声 非常事態と人のこころ

  • 編著:猪股剛
    著者:植田静、鹿野友章、小杉哲平、古川真由美、宮澤淳滋、W・ギーゲリッヒ、西山葉子、清水めぐみ、山本民惠
  • 装幀:細野綾子
  • 定価:本体2800円+税
  • 四六判並製/320ページ
  • 2020年11月20日 初刷第一刷発行
  • 978-4-86528-002-9

コロナ禍の現在とホロコーストに行き着いた1930年代。私たちの心は同じような危うさに触れている

誰にも自分を晒したくない引きこもりの心性と、四六時中つながっていたい気持ち。
引き裂かれている私たちの心の病理をコロナ禍はまざまざと示すことになった。
そしてその心性は、先の見通せない息苦しさのなかで狂おしく未来を希求した末、強制収容所に行き着いた1930年代と深く通底している。
ザクセンハウゼン強制収容所を訪問し、記念碑や博物館のあり方に触れ、
生還者プリーモ・レーヴィの見続けた夢を分析。
スティーブ・ライヒやピナ・バウシュの作品に時代の心性を聴き取る
臨床心理学者たちのホロコースト試論

わが中国 革命・戦争・建国

  • 著者:イスラエル・エプスタイン
    翻訳:王唯斯
  • 装幀:五十嵐哲夫
  • 定価:本体3200円+税
  • 四六判上製/430ページ
  • 2020年10月30日 初刷第一刷発行
  • 978-4-86528-004-3

清朝の滅亡、反帝国主義戦争と共産主義革命、文化大革命の混乱。激動の20世紀中国史をつぶさに目撃し、生きたジャーナリストの貴重で稀有な回想記

天津租界で育ち、ロシア革命に憧れたひとりのポーランド人少年。
やがてジャーナリストとなった彼は、武漢で南京で砲弾飛び交う戦場を取材し、
日本軍の香港外国人収容所を脱走し、馬の背に揺られて毛沢東に会いに行く。
文化大革命に際しては獄中生活も経験した生涯を自ら描く波乱万丈の物語【10月末刊行】

衝突と共存の地中海世界 古代から近世まで

  • 著者:本村凌二・高山博
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体1700円+税
  • B6判並製/304ページ
  • 2020年10月30日 第一刷発行
  • 978-4-86528-290-0

揺れるEU、極端に触れるアメリカ。グローバル化を背景に、近代国民国家の終焉が指摘されるいま、さまざまな文明・民族・宗教が生き続けた地中海世界こそ、目を向ける意味がある。
紀元3000年紀、灌漑農業の発達とともに発達したメソポタミア文明、エジプト文明以来、ヨーロッパ・アジア・アフリカを結びつけてきた地中海。そこにはハンムラビ法典とシュメール文字を持ったバビロニア王国、巨大なピラミッドを築いたエジプト、その狭間では小都市国家が群立し、「海の民」をはじめとする諸民族が入り乱れ、その揺り動きはやがてペルシア帝国の成立を招く。ギリシア、ローマ時代を経て、ラテン・カトリック文化圏、ギリシア・東方正教文化圏、アラブ・イスラーム文化圏が鼎立、十字軍による衝突がありつつも豊かな交易を行っていた14世紀まで、諸勢力、諸民族の接触と交流と対立をわかりやすく描く

コロナ時代の哲学 THINKING「O」016号

  • 著者:大澤真幸  ゲスト:國分功一郎
  • 装幀:松田行正+杉本聖士
  • 定価:本体1300円+税
  • 46判並/136ページ
  • 2020年7月30日 第一刷発行
  • 978-4-86528-286-3 C0036

死者の権利の剥奪、自由の制限、緊急事態下の国家権力──

國分功一郎・大澤真幸の緊急対談が実現。
現代で最も注目される哲学者アガンベンは、国民の自由を制限するイタリア政府のコロナ対策を批判し、各国の哲学者たちから強く非難される。
しかし、この発言は「自由をとるか、安全をとるか」という究極の選択を迫られている私たちへの警鐘である。

アガンベンの発言を出発点に、フーコー、アーレント、ベンヤミンなどの思想を横断しながら、コロナ禍に顕在化した、民主主義社会への根本的な問いを考える。



◉大澤真幸の書き下ろし論文掲載
「新しい生活様式」というディストピア、監視国家に対抗するモニタリング民主主義について、社会学、科学、哲学を横断しながら論じる。
コロナ後の--あるいはコロナとともにある--世界を民主的で自由なものにするためには、ここに述べたような意味でのモニタリング民主主義が合法化され、擁護され、積極的に支援されていなくてはならない。それは、この社会の神的暴力を導入することである。その神的暴力が、ポストコロナの世界がディストピアへと転ずるのを防ぐだろう。
大澤真幸「ポストコロナの神的暴力」より抜粋