84チラシ_林家正藏

林家正蔵 その八十四年のすべて

正蔵は八十四歳になった。
高座の正蔵にはその年齢は感じられない。
芸歴は六十四年。
それは、芸の中に脈々と息づいている。
昭和43年の芸術祭大賞、そして紫綬褒章。
だが、正蔵は常に殻の中に閉じこもることをしない。
その古典の芸、芝居噺は、渋谷ジァンジァンという全く新しい空間に登場しようというのである。
正蔵はこの12回の舞台で、八十四年間に得た「総て」をぶちまけるだろう。
トツトツと語るその人生、芸談。八十四年の「芸人」の話には、世代を超えた総ての人間を打つものがあるに違いない。また1月には「文七元結」2月「鰍沢」3月「引窓与兵衛」4月「五月雨坊主」5〜6月は御得意の芝居噺が登場する。「双蝶々」で吉原田圃、雪の子別れと、吾妻橋捕物の報とを2ヶ月にわたって口演する。
一人の立派な芸人の「人生と芸」を通してこの12回は、歴史的にも貴重なものであり、ひとつのエポックを画すことは間違いない。