ニューヨーク州ニューバーグ生まれ。ボストン美術館付属学校で学んだのち、奨学金を得て渡仏。パリ国立美術学校に籍を置く。フランスでは、ビザンチンの三連祭壇画や、アンリ・マティス、ジョルジュ・ヴァントンゲルローら先行世代の作品から大きな影響を受けた。ケリーは筆触を感じさせない色面を描いた作品でよく知られており、ミニマリズムやハード・エッジと関連づけられることが多い。そこに描かれた幾何学的形態は、現実にある事物の観察を通じて、植物や窓、建築などから着想されている。他方で、シェイプト・カンヴァスを用いたり、複数のパネルを組み合わせたりすることで、ケリーの作品はしばしば空間内にある物体としての側面を強く主張する。