愛知県名古屋市生まれ。愛知県立芸術大学日本画科卒業。1990年代から淡い色合いの抽象化された船や家、動物や木などのモチーフをリズミカルに配置した独自の絵画表現を確立する。画面の両側にしばしば配する開いたカーテンのような図柄は、その奥に広がる部屋、海、宇宙といった杉戸の絵画空間に鑑賞者の意識を飛ばし、また引き戻す効果をもたらす。やがて絵画とそれが存在する空間の関係を探求するようになり、その姿勢は2010年代以降、建築家・青木淳との活動を通して一層濃いものとなった。実際の展示空間を訪れ、入念なリサーチをし、そこから逆算するように自身の絵画作品だけでなく身近な品、ときに大きな構造物を用いて再構成をするプロセスは、インスタレーションを展開するというよりは空間を整える行為に近い。2018年、平成29年度(第68回)芸術選奨、文部科学大臣賞受賞。